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  • 2017/4/14 05:00:55

築地「場外」市場はのこります(Report 46)『老舗の海産物屋さんが大変身』

築地場外市場の中で最も銀座寄りにある、魚の加工品や珍味を扱う老舗「大東水産」(築地4-7-3)。大きな晴海通りに面しているので、よく店の前を通ります。しばらくシャッターが閉まっていて、さみしいなぁと思っていたら、びっくりするほど姿カタチを変えて新装オープン! 大正13年(1924年)創業の海産物卸屋さんのミラクル変身。さっそく、おっしゃれーな新店舗「築地 十干(じっかん)」を訪ねてみました。 

 

写真(01)(本文用)

 

ビルにかかる青い看板は変わっていません。

以前にもリポートさせていただいたことがございます↓

「カルシウムた~っぷり!ヤンババ流"酢煮干し"」

築地「場外」市場はのこります(Report 19)『カルシウムた~っぷり!ヤンババ流"酢煮干し"』

 

お~、スタイリッシュ! 真っ白なファザード、木の香りいっぱいのナチュラルテイストの店構え。いったい何屋さん!? ココは築地なのかしら?

お~、スタイリッシュ! 真っ白なファザード、木の香りいっぱいのナチュラルテイストの店構え。いったい何屋さん!? ココは築地なのかしら?

 

写真(03)(本文用)

 

屋号もガラリと変えて、その名も『干しもんや 築地十干』。

パーッと明るい店内には、海・山・野の「干しもの」を中心に、燻製やピクルスなども。温もりを感じる木製の棚に、商品がスッキリと並んでいます。コンセプトは「築地の目利きが全国を食べ歩き、本当に美味しいものだけを集めました!」。

海産物はこれまでどおり約300種、そして、山のもの(野菜類)も200種以上あるそう。

 

「十干」とは、古代中国の数詞にまつわる言葉のようですが、ネーミングの由来は「一から十まで干しものばかり」とのことです。

 

前の店舗で使われていた年代ものの吊り下げ式ハカリが、インテリアのアクセントに

前の店舗で使われていた年代ものの吊り下げ式ハカリが、インテリアのアクセントに

 

店の中央を占めるのは、陳列棚を兼ねたコの字型のカウンター。「お客さんからも、気軽に話しかけていただけるように工夫しました」と、大東水産の社長・小松原正之さん。

 

写真(05)(本文用)

大東水産の看板商品「煮干し」は、店頭の一番目立つところに

 

「乾物は、干すことでいっそう旨みが凝縮しているんです。保存性の高さも、栄養価もアップ。昔の人の知恵ってすごいなあと感心させられながら商売をさせてもらっています」と、干しものの魅力を熱く語る小松原社長。

「たとえば煮干しで出汁を取るのは面倒とよく言われますが、それはいいものを選んでいないから。新鮮でいい煮干しなら、腹も頭も取らずに、一晩水に浸して置くだけ。翌朝、味噌を溶けば、美味しい味噌汁が食べられますよ」。

 

白壁に立てかけられると昆布も目新しいイメージに。のれんには「JIKKAN」という英文字のロゴ

白壁に立てかけられると昆布も目新しいイメージに。のれんには「JIKKAN」という英文字のロゴ

 

小松原社長の胸にいつもあったのは、「日本の伝統食である干しものの魅力を再認識してほしい!」。そのためには「“いいもの”を、もっと知ってもらわなければ……」。

そして、「創業100年を前にして、あらためて“築地”という食文化を、ここで守っていこうと決意したんです」と、店舗の大改革に踏み切った思いを話してくれました。

 

ありとあらゆるドライな野菜がズラリ! 

ありとあらゆるドライな野菜がズラリ!

 

海産物にとどまらず、加工食材なら野菜や肉、調味料も。これほどの品ぞろえは、定期宅配サービス「やっちゃばマルシェ」とのコラボで実現。「やっちゃばマルシェ」は、日本全国の食材を扱う通信販売で、築地の目利き(仲卸)が選ぶ商品が自慢。そのアンテナショップの役割を担っています。

 

築地名物「江戸前棒寿司」のテイクアウトコーナーも併設

築地名物「江戸前棒寿司」のテイクアウトコーナーも併設

 

冷蔵庫には燻製のハムや卵も。たしかに燻製も、水気をとばすので「干しもの」くくりですね

冷蔵庫には燻製のハムや卵も。たしかに燻製も、水気をとばすので「干しもの」くくりですね

 

カッコイイ! 標本箱型のガラスケースを使ったディスプレイ

カッコイイ! 標本箱型のガラスケースを使ったディスプレイ

 

標本箱に並んだ試食用のドライフルーツや木の実たち。シャレてます!

標本箱に並んだ試食用のドライフルーツや木の実たち。シャレてます!

 

試食も充実

試食も充実

 

いまどきの「干し野菜」は戻す手間ナシで気軽に使えます。汁ものに投入するだけ、出汁に漬け込むだけ。大根、ニンジンやネギはもちろんホウレンソウなどの青菜も……その種類の多さに驚きました。

 

試食のスープを口にしたとたんにジワワ~ン。選りすぐりの煮干しダシで煮た干し野菜は、滋味あふれる優しいお味~。干しものこそ、何かと気忙しい現代人が求めている味わいではないかな~。

 

「干しえのき茸」を購入。乾燥させると、椎茸のうま味成分で知られる5’-グアニル酸が13倍にも増えるそう。その栄養価の高さが10年ほど前のテレビ番組で話題になったようですが、私は初チャレンジです

「干しえのき茸」を購入。乾燥させると、椎茸のうま味成分で知られる5’-グアニル酸が13倍にも増えるそう。その栄養価の高さが10年ほど前のテレビ番組で話題になったようですが、私は初チャレンジです

 

干しえのきは、お湯に入れるとスグしっとり~。濃い香りがして、魚介っぽい感じの風味が立ち上がってきます。キノコからは旨味成分たっぷりの出汁が出るんだった!ということを再認識

干しえのきは、お湯に入れるとスグしっとり~。濃い香りがして、魚介っぽい感じの風味が立ち上がってきます。キノコからは旨味成分たっぷりの出汁が出るんだった!ということを再認識

 

おススメの食べ方「干しえのきふりかけ」をやってみました!

おススメの食べ方「干しえのきふりかけ」をやってみました!

 

熱いごはんに、ゆかり(赤シソ)、ハサミで切った干しえのきを混ぜるだけ。

たちまち炊き込みご飯のような香ばしい旨味が生まれます。シャキシャキッとした歯ごたえも楽しい。思いがけない美味しさに、刻んだ青シソも混ぜて、おにぎりにしました。

 

再発見!「干し物」=乾物には、心を和ませるまっすぐな美味しさがあります。保存もきくし、何と言ってもヘルシー。おまけに意外と手間いらず。もっと使わなくちゃ!

 

伝統の食材の魅力を広く伝える発信基地として、まだまだ進化をとげる築地の場外市場。これからも目が離せません。(おしまい)

Text : miho

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