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  • 2017/4/7 05:00:36

築地「場外」市場はのこります(Report 45)『番外編 大阪・黒門市場をチョイのぞき〜その2〜』

春休みに“天下の台所”ともいわれる大阪・ミナミの「黒門市場」まで遠征したルポの2回目です。前回は、外国人観光客の皆さんの豪勢な食べっぷりに弾き飛ばされたイチ主婦でありましたが、大阪はフトコロ深い食い倒れのまち! ちょっと歩けば、胃袋にもお財布にもうれしい旨いもんが、ごっつぅ待ちうけておりました。

 

写真(01)(本文用)

 

「黒門市場」は総延長距離およそ550メートルに、生鮮食料品店を中心に、洋品店や雑貨屋なども軒を連ねます。天井にぶら下がった巨大なサカナの張りぼてが道しるべ。同じ種類のサカナのマークが商店街の配布する地図に記されているので、どこの場所に居るかが、すぐにわかります。

 

写真(02)(本文用)

 

市場内をタテヨコに歩き回っているうちに、アーケードから道一本はずれました。小さな魚屋があって、ショーケースの中には、いろんな魚が少しずつ。昔ながらのたたずまいに惹かれて立ち寄ってみました。店先には英文字や中国語が見当たりません。

 

写真(03)(本文用)

 

黒門市場で店を開いてから75年という「魚豊(うおとよ)」(大阪市中央区日本橋2丁目11−21)。この鮮魚店のウリは、店頭に炭床があって、そこで丹念に焼きあげる炭焼き魚です。

 

写真(04)(本文用)

 

「ガス火焼きとは、まったく違う味がします」と、店主が胸をはります。毎日、朝から閉店の午後6時ごろ(黒門市場は営業時間が長い)まで、炭の火ダネを絶やさずに魚を焼いているそう。ぷ~んと、しょうゆの焦げるいいにおい。

思わず「イカ焼き、ください!」。

 

写真(05)(本文用)

 

「ちょっと待っててね。タレをつけて焼くから」と女将さん。炭火焼きはじっくり、こんがり。出来上がりまでに時間がかかります。

「東京から? ほんとは鰻丼を食べてほしいんだけれど、今朝はまだご飯が炊けてないのよ」と。

見知らぬ土地でのやさしい声掛けに、気持ちがフニャ~と、とろけます。鰻の炭火焼きは、とくに評判がよく、夏の丑の日は予約が殺到するといいます。このお店の鰻丼、食べたかったなー! イカ焼きにつけてくれたタレも鰻と同じ「魚豊秘伝のタレ」とのこと。

 

しかし、ほかの黒門市場の鮮魚店とちがって、ここには立ち食い用のカウンターがありません。

 

大阪まで来たかいがあったー!と思えた「イカ焼き」。炭火でじんわりと焼いてあるから、香ばしいタレが身の奥まで沁み込んでいます。弾力のある身はしっとり柔らか

大阪まで来たかいがあったー!と思えた「イカ焼き」。炭火でじんわりと焼いてあるから、香ばしいタレが身の奥まで沁み込んでいます。弾力のある身はしっとり柔らか

「食べやすいように」と、焼きあがったイカを細かく切ってパックに入れてくれました。

すると……「座って食べてね。せっかくだから」と、女将さん。え、でも、イートインスペースは、ここにはないですよね……。

「まだ、朝だから、隣りの食堂のテーブルに座っていいのよ」。

えー、お隣りさんの?

「仲がいいから、だいじょうぶ(←ほんとは女将さん、大阪弁なんですケドあしからず)」。

 

ランチタイム前の誰もいない食堂で、イカ焼きをほおばっていると、女将さんが行平鍋を持ってきました。湯気を立てているのは麦茶。

「今日は寒いから沸かしてきましたよ」と、鍋から紙コップへ。女将さんは「こうやって、ゆっくり味わってもらえると、うれしいものよ」って(わたし、もうホロリホロホロ…)。

 

商人の多い大阪は、テイクアウトが重宝した街。黒門市場も、もとは料理人が買い出しをするプロユースの市場。こちらのお店でも、食のプロを相手に、持ち帰り用の魚を“炭火”にこだわって焼き続けてきたのだと思います。

 

写真(07)(本文用)

 

人の情けに旅の疲れも癒やされて、足取りが軽くなると……こんな素朴な団子も見つけました。

餅を作り続けて70余年! 米から餅づくりにこだわるという「芳月堂」の「ほっこりきなごだんご」100円也。ネーミングのとおりホッコリ~。口に運ぶと、プハーときな粉が飛び散ります。

やっぱり市場歩きは楽しい!

 

【黒門市場のお惣菜】

黒門市場で、ジモティらしき主婦の姿を見かけたのは惣菜屋さんでした。バラエティー豊かなメニューの多さも、豪快な見かけも食欲をそそる「おかず」たち。テイクアウトの街・大阪(←勝手な決めつけ)の、ウマイに決まってるお惣菜を、駆け足で紹介します。

豆腐屋さんの店先には、おでんダネがてんこ盛り。巾着だけで、何種類あるんでしょう? ぜひとも旨味たっぷりで薄味の関西風出汁で炊きたいものです

豆腐屋さんの店先には、おでんダネがてんこ盛り。巾着だけで、何種類あるんでしょう? ぜひとも旨味たっぷりで薄味の関西風出汁で炊きたいものです

そうでした、大阪では、おでんではなく「関東煮」と呼ぶのでした

そうでした、大阪では、おでんではなく「関東煮」と呼ぶのでした

関東煮には牛すじマストです。関西の大きなはんぺんは、焼きめがあるのが特徴

関東煮には牛すじマストです。関西の大きなはんぺんは、焼きめがあるのが特徴

大鍋いっぱいのアサリ。お味噌汁になるのかな?

大鍋いっぱいのアサリ。お味噌汁になるのかな?

あちこちの店先で関東煮がコトコトではなく、ぐつぐつ勢いよく煮えています

あちこちの店先で関東煮がコトコトではなく、ぐつぐつ勢いよく煮えています

地元の主婦が並んで、いっぺんにたくさんのフライを買っていた精肉屋「黒門 坂本」。60円台のコロッケやカレー味のミンチかつ(100円)が、安くてうまいと人気なのだそう。注文が入るごとに店頭にあるフライヤーで揚げるので、いつもアツアツ!

地元の主婦が並んで、いっぺんにたくさんのフライを買っていた精肉屋「黒門 坂本」。60円台のコロッケやカレー味のミンチかつ(100円)が、安くてうまいと人気なのだそう。注文が入るごとに店頭にあるフライヤーで揚げるので、いつもアツアツ!

店の奥で、たくさんの人が絶え間なく天ぷらを揚げているようすにも感動。ひと目でカラッと揚がっているのがわかる天ぷら専門店。名物はボリュウム満点のアナゴの天ぷらと紅ショウガの天ぷら

店の奥で、たくさんの人が絶え間なく天ぷらを揚げているようすにも感動。ひと目でカラッと揚がっているのがわかる天ぷら専門店。名物はボリュウム満点のアナゴの天ぷらと紅ショウガの天ぷら

この店一軒だけで40種類以上!おふくろの味を思わせる、ふっくら艶やかなお惣菜が並んでいたおかず屋さん。奥の棚には定番、手前には新ごぼう、フキ、わけぎ……旬の食材を生かしたお惣菜がズラリ。どんどんメニューが変わるのですね

この店一軒だけで40種類以上!おふくろの味を思わせる、ふっくら艶やかなお惣菜が並んでいたおかず屋さん。奥の棚には定番、手前には新ごぼう、フキ、わけぎ……旬の食材を生かしたお惣菜がズラリ。どんどんメニューが変わるのですね

 

お惣菜にスポットを当てて黒門市場を歩いただけで、この豊富なラインナップ。まだまだ、ありそうです。

大阪には、韓流の聖地・鶴橋商店街、直線距離にすると2.6キロ!の日本一の長さを誇る天神橋筋商店街など、個性的な商店街がたくさんあるそうです。市場って歩くだけで元気がもらえます。これからも巡りますよー!

 

写真(16)(本文用)

 

黒門市場のシメに、大阪といえば…の名物「ミックスジュース」を果物屋のスタンドでゴクゴク。一杯200円の庶民のジュースにホッ。なつかしい味がしました。(おしまい)

Text : miho

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