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  • 2017/3/12 05:00:59

「オリーブオイルの魅力とその使い方」第19回「フグにはオリーブオイル」

和食にこそオリーブオイルを、さて今回ご紹介するのは

 

「フグ」

 

鯛でもエビでもオリーブハマチでもお刺身にオリーブオイルを合わせると、素材の味がググッとせり出してくることは前にもご紹介しました。

その中で今回は「フグ」

フグなんていう高級魚、食べる機会自体があんまりない上に、このお魚、ふつうは外食で食べるもの。近所のスーパーやお魚屋さんで買ってきて、晩ゴハンの食卓に出るようなものじゃないですよね。

フグ料理屋さんでの食べ方って言えば、お刺身のてっさ、お鍋のてっちり、あとは天ぷらくらいのもの。

まず最初に出てくるてっさだと、定番はおろしポン酢におネギを巻いて頂きます。普段食べられないひがみ根性も手伝って、美味しいなんて思ったことこれまで一度もなかったんです。

なぜならポン酢の酸っぱい味だけが舌の上にやってきて、あとはゴムのようにくちゃくちゃと噛み切るフグの食感が残るだけ。なんでみんなこんなゴムみたいな食べ物を高いお金払ってありがたがって頂いているんだろう、ってとってもネガティブな感想を持ち続けて半世紀の人生を過ごしてきました。

 

そんなひがみ屋さんが、オリーブオイル屋として、その食材のポテンシャルを引き上げる力に気が付いたこの頃、ちょっと試してみるかな、くらいの軽い気持ちでフグにかけてみたオリーブオイル。

 

ナシフグ刺身(本文用)

 

こちらはトラフグとは違い、香川県で獲れる少し小ぶりの「ナシフグ」

薄ぐそいだら、お皿に敷きつめて、お次はオリーブオイルと瀬戸の藻塩で頂きます。

決してポン酢では頂きません。

薄く削いだフグの身は、ポン酢に出会うとその薄さが酸と出会うことから、あっという間に〆ふぐ状態になってしまう。だからウマみを感じる前に酸っぱさとパサつき感をが出るんでしょね。

そんな意味からも、フグをポン酢で頂くのは、あんまり理に適っていないんだろうと思っていたんです。

で、オリーブオイルと藻塩で頂くと

 

「!!!」

 

何なんでしょうか、この力強くも優しいウマみ。

奥歯で噛んだ瞬間にあふれ出るフグ自身が持っているアミノ酸が、

分泌された唾液とともに弾け出すんです。

その後に海の魚の持っている磯のなつかしい香りをそれはそれは柔らかく鼻腔に届けてくれる。

この、一連の口の中と頭のなかで行われるおいしい過程を作るのに一役も二役も買っているのが、オリーブオイル。

 

オリーブオイルは味の拡大鏡、これをもっとも実感できる食材が「フグ」

 

フグ刺し1(本文用)

 

さて、こちらは真打登場

先ほどのナシフグと違って、ふだんはご家庭の食卓に上ることのない、正真正銘のトラフグ、ありがたいことに、ふるさと納税のお礼の品で福岡から届いたんです。

同じように瀬戸内の藻塩と香川県産のわたくしたちが搾ったオリーブオイルで頂きます。

 

「!!!!!」

 

眠っていたフグの淡白で優しくも奥ゆかしい味や香りがオリーブオイルと出会うことで、ギチッとした筋の通ったとてつもなく重層的なウマみとして、とても嬉しそうに表現し始めるんです。

オリーブオイルが「味の拡大鏡」だってことを、とてつもなく実感するのが、このフグと合わせるお料理。

オリーブオイルで頂くと、ナシフグはそのおいしさが3倍くらいに膨らむんですが、下関から届いたトラフグはその美味しさが、オリーブオイルで10倍にまで花開くんです。

 

フグルパッチョ(本文用)

 

こちらは、ウチの仲間が今朝詫間で釣り上げてくれたナシフグ。

これをイタリアンのお皿に仕上げたお皿がこちら。

そぎ切りしたナシフグに、パルミジャーノを削って、ウチの畑で採れたオリーブオイル「雫」かけたら出来上がり。

ここでもオリーブオイルは味の拡大鏡のお仕事。あれだけ主張の強い味と香りのパルミジャーノもフグとオリーブオイルの前には形無し、すっかりわき役を演じて、ナシフグのうまみが、噛めば噛んだだけあとからあとから滲み出してくるんです。

 

これから全国のフグ料理屋さんに営業に回って、フグはポン酢じゃなくてオリーブオイルで頂くんですよ、って全国行脚を始めたいと思います。

 

味の拡大鏡、こちらの食育通信オンラインで紹介されるいろんなところの美味しい食材を、オリーブオイルの力で大きく拡げていきたいですね。

Text : Olive Hills

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