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  • 2017/2/17 05:00:46

築地「場外」市場はのこります(Report 39)『至高の干物で、わが家の朝が変わるかも?』

うちの朝ごはんは、コーヒーとトーストが定番です。ところが、築地の場外市場で、究極の干物に出あったことで、「ニッポンの朝飯といえばアジの開きが王道だ」と、急に改革中。「旅館の朝みたいだわ~」と意気込んでおります。それほどの、うまい干物に巡りあえたのは、昨年のオープン以来ゾッコンで、入り浸っている新市場「築地魚河岸」(築地6-26-1)です。

 

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「築地魚河岸」の小田原橋棟にある『ひもの つきぢ 尾粂(おくめ)』。

(http://okume.tokyo/)

デパ地下や小洒落たデリのような、どこかスタイリッシュな雰囲気。市場のほかの店舗とは違った店構えで、ずっと気になっていました。お客さんといっしょにショーケースを見ながら説明する接客も、市場というよりデパートみたいです。

 

純白の調理服にキリリとネクタイをしめる、ジェントリーなスタッフの皆さん

純白の調理服にキリリとネクタイをしめる、ジェントリーなスタッフの皆さん

 

“ひもの”を専門に扱うお店です。

干物とひとくくりにするなかれ。

明治4年の創業以来150年近く、塩干し加工品一筋! その時おいしい魚だけを全国から買い付けて独自の製法で加工するこだわりの尾粂ブランドは、プロの世界では有名。伊勢丹・三越などのデパートや、ミシュラン三ツ星を獲得している有名和食店も御用達とのこと。

そんな超高級“ひもの”問屋が出した小売りの第一号店がココ。スタイリッシュな店構えにもなるはずです。

 

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……とは言っても、デパ地下=高級そう(→値段高そう)、とアタシったらタジタジ。ようやく訪れたのは、「節分の鰯」の看板にひかれて。

 

築地の場外に通うようになってから、季節の訪れを、市場の店先で知ることが増えました。「鬼の嫌うイワシの頭とヒイラギの枝を玄関に」。なつかしい鬼祓いの風習を思い出しました。

 

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その日のおすすめは「鰯めざし」(三尾連)200円(税別)でした。

イワシなのですから、この価格は妥当なのかもしれませんが、プレミアムな店舗の雰囲気に身構えていた私は、「あら、3尾で200円?」と、正直、安いと思いました。

 

しかし、やっぱりタダの“めざし”では、ございません!

「旬の時期に獲れた大阪・岸和田産のイワシを、日本一の鮮魚店といわれる『根津松本』秘伝の羅臼産昆布の出汁に漬け込んで臭みをとり、千葉県大原の伝統技術である藁で目刺しに……」。なんだか、ものすごいコダワリ! 店長の室井進さんは「藁をつけたまま焼いてくださいね~」と。

 

このめざしを共同開発した「根津松本」は、あとから調べたところNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」にも出演された凄腕の魚屋さんです。

 

見てください、このプリップリに太ったイワシ!「今日はめざしでガマンするよ」なんてコトバは封印だ

見てください、このプリップリに太ったイワシ!「今日はめざしでガマンするよ」なんてコトバは封印だ

 

びっくりした~! 初めて口にする味わいです。

もしかしたら、今まで食べた焼き魚の中でアタシ的最高ランクかも~。

うま味たっぷり!ジュワッときた~!

藁を焼いて燻された香ばしさが、また、こたえられません。

ワタにも頭にも、めざし特有の臭みや苦味なんか、まーったくありません。

うますぎて、玄関に飾ろうと思っていた頭まで食べちゃいました。

 

ココロ揺さぶられる食体験って、こういうことなのかもしれません。それ以来「めざし」とか「ひもの」のことばかりが頭を駆け巡るように……あぁ、食べたい!

 

看板商品は「特選 真あじ開き」390円(税別)。庶民の味方の(中ランク)190円(税別)もあり

看板商品は「特選 真あじ開き」390円(税別)。庶民の味方の(中ランク)190円(税別)もあり

 

ソワソワと再び訪ねた日の「本日のおすすめ」は『特選 真あじ』の開き。

やはり、ただの“ひもの”ではなく、「対馬で取れた良質のアジを塩だけで天日で干しています」とのこと。

天日干し! 太陽をあびて、海風に吹かれたアジの開き。伊豆の強い日差しと富士山の名水を利用するために、そして昔ながらの製法を守るため、沼津で加工しているのだそう。とーっても、ぜいたくなのだ~。

 

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骨の横が青白っぽいのが、うま味成分がつまった脂ノリノリの証拠。包んできた紙袋にも脂がしみるほど!

 

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焼くのは家庭用のグリルでOKとのこと。おいしい焼き方は、まず腹側から。弱火でじっくりと腹側を7割、皮側を3割。うちは両面焼きグリルなので、それができませんでした~。あらかじめコンロやグリルを、十分に熱しておきましょう。

 

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こ~んがり。自動タイマーにまかせてしまったので、ちょっと焼きすぎました。

常温に戻してから焼きましたが、干物の場合は冷たいままで。めざしや、ししゃもなどの丸干しは、冷凍してあった場合、凍ったまま弱火で焼くと、腹が割れないそうです。

 

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身はしっとり。まろやかなのにシッカリとした濃い味わい。いい塩梅です!

天日に干されると、水分が出るだけではなく、全体に魚のエキスで被膜ができるそう。うまみ成分を身の中にギュ~と、とじこめるんですね~。

 

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アジの開きは、やっぱり朝ごはんに食べたい。熱い味噌汁がつきものです。

築地だからこそ手に入る、日本一のアジの開きですもの! ちょっと気を張って口にしたいと思います。この冬は温泉にも行けてないから、せめて旅館の朝ごはん風を気取ってみましょうか……。

あれも、これも……ニッポンの朝ごはんは超ぜいたく。朝から、なかなか、たいへんです(汗)。

 

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奮発して、たくさん買っちゃいました。ラップでぴったりと包んで保存袋に入れたら、冷凍で3週間は持つそうです。

しばらくは早起きして、日本の朝ごはんの幸せを、味わいたいと思います(おしまい)。

Text : miho

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