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  • 2017/2/7 05:00:06

「オリーブオイルの魅力とその使い方」第17回「オリーブオイルに合わせるお料理〜天ぷら」

甘エビフライ(本文用)

 

エクストラバージンオリーブオイルは、加熱せずに生で使ってくださいって、よく言われますよね。

確かにその通り、エクストラバージンオリーブオイルは、高い香りとさわやかなキレのいい味が身上なので、その特徴を最大に生かすためには、加熱せずにお料理の仕上げにお皿の上で振りかけて使って頂くのが、もっともいい使い方だと思います。

 

でも、その一方でオリーブオイルは加熱にもとっても強いオイルだということは、実はあまり知られていない事実。

オリーブオイルの本場イタリアでも、レストランでの揚げ物はなぜかオリーブオイルではなくてひまわり油を使うなんてこともあります。オリーブオイル使うことのコスト面を気にするのが一点ですが、中には「オリーブオイルは揚げ物には向かない」なんてシェフもいたりします。

 

嘘です。

 

オリーブオイルほど揚げ物に適した油はありません。

まず、さっぱり揚がります。オリーブオイルで揚げた天ぷらは衣がサックサクのパリパリに仕上がり、いくら食べても全く胃もたれしないんです。

天ぷらというと、鍋にたっぷり張ったオイルの中に天ぷら種を放り込んで揚げるイメージですが、オリーブオイルを使うなら、フライパンにヒタヒタに張ったオイルで揚げ焼きの要領で揚げても、サクサクに仕上がります。

 

 

玉ねぎ天ぷら(本文用)2

 

そして2番目の特徴は、オイルを繰り返し何度も使えること。

3年ほど前に、高松市内の料亭を貸し切りにして、オリーブオイルを使った懐石料理のコースを、地元の日本料理の先生にお願いして作ってもらったことがあります。

先付けの酢の物からお刺身、〆のご飯まで、すべてのお料理にオリーブオイルを合わせる企画だったのですが、そのうちのお皿の一つが「オリーブオイルで揚げた天ぷら」

天ぷらがとても美味しく揚がったことはもちろんなんですが、驚くべきは食事が終わった後に厨房で料理を担当してもらった吉岡先生から出たコメント

 

「このオイル一体どうなってるの?普通これだけの天ぷらするなら、揚げ油を最低一回、もしかしたら2回取り替えないといけないのに、一回も取り替えないのにカラっと揚がったよ。本当にただのオリーブオイルなの?」

 

ワカサギ天ぷら(本文用)

 

使ったオイルはポリフェノールのたっぷり入った正真正銘のエクストラバージンオリーブオイル。もちろん一切添加物は入っていません。

当日は36人前の天ぷらを揚げる企画でしたが、一度も替えることなくサクサクの天ぷらをオリーブオイルを使って揚げることができたのです。

最高品質のエクストラバージンオリーブオイルはコスト面では段違いに高いオイルなんで、プロの料理人がお店の現場でそれを天ぷらに使うということはあり得ない話、今回の企画はおそらく日本で初めてのことで、オリーブオイルの熱耐性を証明した貴重な機会だったんです。

 

鶏ももから揚げ(本文用)

 

わたくしどもも、オリーブオイル屋として、普段の家庭では揚げ物もオリーブオイルを使っていて、その熱に対する強さは十分に実感していたのですが、プロの料理人が作る36人前の天ぷらにおいても、遺憾なくその強さを発揮してくれたことは驚きでした。

その強さの要因の一つがオリーブポリフェノール「オレウロペイン」にあると思われます。オレウロペインの強力な抗酸化作用は、人体の健康面にもたいへん大きな効果をもたらしますが、実は加熱した時のオイルの酸化抑制においても絶大な効果を発揮しているのです。

オリーブオイルの発煙温度は214℃ですが、オレウロペインはその温度帯においても50%程度が成分を保ち続けています。

 

クリームコロッケ(本文用)

 

わたくしどもが家庭で天ぷらに使うオリーブオイルは捨てたことがありません。何度でも繰り返し使えるので、減った分だけを足して使っていくんです。全く油が疲れることなく使えるので、見た目のコストよりもずっと安くなるんですよ。ついでに言うと、揚げ物をしてもオイルがあんまり減らないんです。つまり、天ぷらの衣に吸い込まれることなく、揚げ油を吐き出してくれるので、さっぱり揚がると同時に揚げ油は減らないということなんです。

 

以前、「オリーブオイルで揚げる串揚げ」のお店にお邪魔したことがありました。オーナーにお聞きしたら、実はオリーブオイルとサラダ油を半分づつブレンドして使っているとおっしゃいました。なんでそんなことをするのかとお聞きしたところ

「オリーブオイルだけではベチャッとした仕上がりになってしまうんで・・・」

とのことでした。

わたくしどもの経験上では、オリーブオイルで揚げた天ぷらは、いつもサクサクのパリパリに仕上がっているので、とても違和感のある発言だったんです。

「そのオリーブオイル、おいくらくらいのお値段で購入されていますか?」

お店のオーナーに質問した答えを聞いて合点がいきました。これはちゃんとしたオリーブオイルじゃないな。

廉価なオイルはポリフェノール値が低く、熱耐性や抗酸化力が弱いため、天ぷらのような高温加熱調理ではあっという間に品質が下がってしまうので、天ぷらにしてもカラッと揚がらず、持ちも悪くなるのです。

 

手羽先唐揚げ(本文用)

 

もちろん、天ぷらなんていう高温加熱する調理なんで、最高品質のオリーブオイルを使って頂く必要はありませんが、やっぱり「ちゃんとした」品質のオリーブオルを使って頂きたいです。

Text : Olive Hills

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