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  • 2016/12/16 05:00:50

築地「場外」市場はのこります(Report 30)『シュフと築地魚河岸 <その1> 』

築地場外市場の新しい施設『築地魚河岸』(築地6-26-1)がオープンして1ヶ月。何度か足を踏み入れた私は、ココはぜったい主婦ウケする!と確信。さっそく料理が大好きなシュフ友のケイコさんを誘いました。

これまで場内の卸売市場で食のプロフェッショナルだけを相手にしてきた仲卸の方々ですが、「作ります!」という主婦の前向きな思いに、しっかりとこたえてくれました。

そのtooホットなやりとりの一部を中継します。

 

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午前9時、大きな保冷バッグをかついで現れたケイコさんは、「おはよ! 今日は梅干しを買わなくちゃ」と、いきなり。

 

仙台のおばあちゃんが送ってくれる梅干しに頼ってきたものの、ご高齢のため、とうとう漬けられなくなってしまったとのこと。

梅干しはケイコさん一家にとっては、食卓のカナメ。ところが、どこを探しても、納得の味には出あえない、というのです。

 

なんで築地で梅干しを?

ケイコさんとわたしは一緒に、話題のドキュメンタリー映画『築地ワンダーランド』を見てきたばかり。築地市場で働く人々の、「日本の食文化を支えているんだ」という圧倒的な職人魂にクラクラッ。見終わってしばらく席を立てなかったほどです。

「ニッポンの信頼すべきおいしいものは築地にあり!」をしっかりとインプット。と、いうわけで、まずは梅干しの買い出し、となったんですね。

 

天然ものの梅干しも手に入る漬物店「中川食品」 (築地4-14-1)

天然ものの梅干しも手に入る漬物店「中川食品」
(築地4-14-1)

 

写真②につくキャプション

天然ものの梅干しも手に入る漬物店「中川食品」(築地4-14-1)

写真②につく本文

「塩だけで漬けてあって、皮は薄くて、あまりしょっぱくなくて……」と、ケイコさんの注文は、ことこまやか。いちいちパッケージの裏をのぞきこんでラベルを確かめる熱心さに、お店の方も前のめり。梅の産地や漬け方のくわしい説明で、ことこまやかさの2倍返し。

すると、「ウチで、いちばんいいのを食べてみて!」

 

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店の奥から特別な一品を取り出してきてくれました。

口に入れたとたん、「わ~、梅の香りがします~」とケイコさん。

思わず値段を確認したわたしは、おずおずと口にして、「おー、一粒100円だ」の恩恵にあずからせていただきました。

 

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「おばあちゃんの梅干しの味です」と、ケイコサマはキロ3000円の最上級品をお買い上げ~。

お店の方は「粒の大きさごとにパックされているから、家庭で食べるんだったら、小粒を選んだほうが長持ちするよ」。

キロあたり3000円の(私にとっての)ビックリ価格は築地ならでは、とのこと。

「デパートにいくと同じものがオーマイガーッの値段となるよ」と、消費税コミコミ価格にケイコさんは満足そう。

 

わたしは、やわらかに熟しきった梅だからこそ樽の奥で皮が破れちゃった「完熟つぶれ梅」500g1000円(写真右)が気に入りましたよ

 

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買い物の始まりで、すでに1キロもの梅干しを持って(笑)、いざ『築地魚河岸』へ!

 

築地の活気とにぎわいを継承しようと作られた新しい生鮮市場は、小田原橋棟(写真左)と海幸橋棟(同左)があって、水産物を中心に59もの仲卸の店舗が入っています。

 

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中に入ると、一直線にのびる廊下をはさんで、両側に店舗が連なるスッキリとしたレイアウト。

5時開店で、9時まではプロの買い出しが優先。10時前だと、まだ混雑していません。

 

見てくださ~い、この品揃え! 新鮮さと質の高さはニッポン一! 見やすい位置にある棚台には、一般客向けにパックされた切り身もズラリ

見てくださ~い、この品揃え! 新鮮さと質の高さはニッポン一!
見やすい位置にある棚台には、一般客向けにパックされた切り身もズラリ

 

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どの店も、奥にガラス張りの加工室があるのが特徴。

興味津々わくわくケイコさん。歩みが遅い……。

 

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あちこちのお店で“笑顔で”試食をすすめられます。

しかも、差し出される爪楊枝の先には、冷凍してない大間の本まぐろに、クジラのユッケに……これまで口にしたことがないような最高峰の珍味が次々と!

粒つぶで埋め尽くされた子持ち昆布の味、忘れられないなぁ~。こんど買いに行こ!

 

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ここ『築地魚河岸』のジャンルの分け方は、市場用語なので独特です。

「大物」とはマグロ、カジキなど大型魚を扱う店のこと。

「特殊」とは 活魚、貝類、ふぐ、ウニなどのことで、「鮮魚」は、アジ、サバ、イワシ、イカなどをさします(活魚と鮮魚のちがいは……う~む、シロウトには、わからんです)。

 

築地といえばマグロ!

「大物」の店舗が一番多くあって目立ちます。

アタマからシッポまで、めずらしい部位もいろいろ。

「ひえ~、どうやって食べるの?」「こんなにいっぱいで、安くなぁい?」

シュフの知らないマグロの世界が広がります。

 

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ケイコさんがすいこまれていった、まぐろ専門店「築地 津川」。

 

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ひかれたのは、「インドマグロ」のカマ!

希少部位と書かれていて、1カマ500円也。骨の裏に、やわらか~なトロのお肉がタップリとつまっていて、そこは刺身でいけるって。

「コンロには大きすぎるし、家庭用の包丁では骨を切ることができないですよねぇ」と、ケイコさん。

すかざず、食べやすい大きさにカット!そのうえ、身がはがれやすいように、骨と筋の間に切り込みを入れてくれました。なんて親切~。

 

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「店先には、あまり商品を出してないんですね」と言うと、「プロの買い出しは、欲しいもんが決まっているからねぇ、ほれ!」と、大型冷凍庫を開けて見せてくれました。

大きなカタマリがごろんごろん。電動ノコギリで切り出すそうですよ。

 

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つぎに、ケイコさんがすいこまれたのは、通路の両側で展開する“特殊”ジャンルの「大仲」。

場内市場では活魚、貝類、近海物、河豚(ふぐ)部門それぞれに専任担当を設けているビッグな仲買いのお店です。

 

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水槽にはカレイやヒラメ……棚台にはピチピチの鮮魚。

ケイコさんが「桜色でカワイイね」と、足をとめたのが「春子」の札がついた小さなタイ(写真右)。

わたしが「ハルコって名前もかわいい」というと、お兄さんが「それもいいっすけれど、カスゴって読むみたいですよ」と。「小さいから内蔵取って、まるごと鯛めしなんかに、いかがですか?」

 

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ケイコさんが鯛めしの作り方を聞いていると、社長さん登場!

「カスゴは小骨が多いし味が淡白だから、昆布じめがいいでしょう」

(場内の大規模店舗は息子さんに任せているそう。すると会長さん?)

 

そこから、社長さんの昆布じめレクチャー、始まり始まり~。

「骨の抜きかたは?」「皮のひき方は?」「昆布の……」と、つぎからつぎに質問するケイコさん。…ハナシ長い(笑)。

 

(後半に続く。来週の金曜日をお楽しみに。)

Text : miho

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