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  • 2016/12/2 05:00:59

築地「場外」市場はのこります(Report 28)『築地本願寺を探検してみよう<下>』

築地のシンボル「築地本願寺」は浄土真宗のお寺です。その教えは『阿弥陀如来の願いによって、すべての人は救われており、この世で人生を終えるときはお浄土に往ける』(パンフレットより)というものです。お念仏「南無阿弥陀仏」には阿弥陀さまへの感謝が込められているんですね。

前回、仏さまにお供えする「仏飯」のおさがりで作られた「築地本願寺せんべい」をお土産にいただき、「感謝のこころ」にビビビっと感電した、食いしん坊なわたくし……。

さらに寺院内を探検することで、ふところ深―い、このお寺の魅力を知ることとなります。

みなさんも、思いっきりオープンマインドな築地本願寺を訪れてみませんか?

 

ここはどこ? ほんとにニッポン?(←しつこいですが…) 古代インド仏教様式の本堂(1934年落成)は重要文化財です

ここはどこ? ほんとにニッポン?(←しつこいですが…)
古代インド仏教様式の本堂(1934年落成)は重要文化財です

 

神社の前を通りかかると、気ラクにパンパンと手を打って、こうべを垂れるわたしですが、これまで、あまり築地本願寺にお参りすることはありませんでした。

前回のルポ「上」を読んだ東京育ちの友人も「そういえば本堂の中にまでは入ったことがなかった」と。

著名な方のお葬式のたびに脚光を浴びる有名なお寺ですが、やはり石造りのリッパな建物って、関係者(信徒さん)以外立ち入り禁止っぽい威圧感を抱かせるところがあります。国会議事堂しかり…(笑)。

ほんと、今まで訪れてなかったなんて、もったいなぁ~い!

 

さぁ、今日も石造りの大階段を上がって、パルテノン神殿のような石柱そびえる本堂の入り口へ

さぁ、今日も石造りの大階段を上がって、パルテノン神殿のような石柱そびえる本堂の入り口へ

 

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まるでティファニーブルー! 鮮やかな水色の大扉が待ち構えています。

その玄関ホールをちょっと横に、階段の踊り場をご覧ください。

 

おしゃれでしょ。 チェス盤みたいな白黒市松模様の床がモダーンです。どっしりとした大理石造りの手すりには、動物たちが……

おしゃれでしょ。
チェス盤みたいな白黒市松模様の床がモダーンです。どっしりとした大理石造りの手すりには、動物たちが……

 

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ウマ、獅子、ゾウ……ここには、たくさんの動物たちがいます。

この写真では、並びをバラバラに紹介していますが、動物たちの配置は、とある「法話」に基づいた教えを学ぶ順序になっているそうです。

 

見て見て。どの動物もデフォルメされていて、かわいらしい!

 

軒下にサルがいたり、クジャクは高い位置で、ほかの動物を見下ろしています

軒下にサルがいたり、クジャクは高い位置で、ほかの動物を見下ろしています

 

みんなプクプクしていて、ディズニー映画に出てくるキャラクターみたい

みんなプクプクしていて、ディズニー映画に出てくるキャラクターみたい

 

寺院内には、ほかにもたくさん動物意匠があるそう。

どれも本堂が完成した1934年には設えてあったもの。

80年を超える長い歴史を考えると、建築家が、当時どんな思いで、カワイイ動物たちをデザインしたのか、興味がわいてきます。

 

そして、極め付きは…… ↓

 

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階段の手すりをパックリとくわえた、木彫りの珍獣の大きな顔!

築地本願寺のパンフ(コピーを重ねてプリントが薄くなった感じの手作り風のペラ一枚)には「グロテスク」とあります。

なんだか、おもしろい!

「グロテスク」というより、鬼っ子のような楽しげなキャラなのですが、大正時代の設計図には「グロテスク」と書いてあったそうです。

なにゆえ、そんな名を?

工事現場でのやりとりを想像するだけで、楽しくなっちゃいます。

 

どこもかしこも、楽しい不思議がいっぱい!

 

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ところどころあいているカッコイイ小窓から、こまかいデザインを施されたアーチ型のガラス窓が見えて。

いたるところ、一つひとつ、ホントにこっています。

築地本願寺を設計した建築家の伊東忠太博士(1867‐1954年)に興味しんしん。

 

公式HPによると、西本願寺第22代大谷光瑞(こうずい)門主は、明治時代に仏教の源を求めて、インド・アジアへと旅をされたグローバルなご住職。やはり同じ時期にインドを訪れて建築の研究をしていた伊東博士と交流をもったことをきっかけに、寺院を再建するときの設計を依頼したのだそう。

 

地震や火事に強く、かつ新しい仏教建築を望む中から、現在のような鉄筋コンクリートや花崗岩を用いた建築、古代インド様式のデザインになったとのこと。

それにしても、一人の建築家の個性的で斬新なアイディアを、こんなにも存分に取り入れた22代門主さまのキャパは大きい!

きっと、仏教発祥の地・インドへの思いが強かったのですね。

 

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レトロな窓枠から眺める中庭には、やわらかな木漏れ日が。

たたずんでいると、どこからか声明(仏教讃歌)のおごそかな響きが聞こえてきました。いにしえの人々の思いに心をあずけるうちに、おだやか~な気持ちに包まれます。

 

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本堂に入ると、ちょうど仏前結婚式まっただ中でした。

こ~~んな壮大なる絢爛豪華な場所で、ご縁への感謝と永遠の愛を仏さまにご報告……おとぎ話のお姫さまのようです。

お幸せに!

 

とっぷりと寺院の中を探検させていただきました。

ご本尊に向かって、礼拝をします。

お香をつまんで香炉に。手をあわせて唱えました。

「南無阿弥陀仏」

 

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扉に向かうと、パイプオルガンとステンドグラスと……。

歴史の重みを感じながら見上げると、いろいろなものを静かに受け入れてきた築地本願寺のふところの深さが伝わってきます。

受け入れてもらえるという安らぎに、また「感謝」なのですね。

 

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外に出ました。

境内では、こぢんまりとした「朝市」が開かれていました。

オーガニックとかのおしゃれ系食品が並ぶいまどき「マルシェ」とはちがって、ここのは、ちょっと昭和モード。毎月第3日曜日開催。

「いただきます」「ごちそうさま」「ありがとう」の気持ちで、作り手と買い手がつながる場所を目指しているそうです。

(境内が改修工事に入るために、12月18日開催を最後に、しばらく休市に)

 

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ここ築地本願寺の境内では、本当によくイベントを行っています。

花祭りや盆踊りなど、祭りのときに出る屋台は、築地場外市場をはじめ、近隣の飲食店が出店するそう。海鮮焼きはもちろん、パスタ、インド料理……築地ならではの選りすぐりの食材で、おいしい調理と楽しい会話を……とのはからい。

地域の人たちと食の街・築地を結びつけることに一役買っています。

 

ニッポンのお寺の境内で買うラフランス!

ニッポンのお寺の境内で買うラフランス!

 

「ラフランスは、とろんとするほどよーく熟してから食べてね。一度冷蔵庫で冷やしてから出しておくと、熟成がすすみますよ」なんて、お店の方のアドバイスもうれしい。

今日のあたしは素直なのだぁ~。

 

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このようなチラシを見つけました。楽しそう!

子どものための様々な行事も、積極的に行っているようです。

住職さんから「“いのち”をいただく食べもの」の話を聞いたなら、ちっちゃい子もすっーと納得しそう。

 

敷地内には演劇やコンサートなどが開かれるホールもあるし、信徒さんだけではなく誰でも参加できる「法話」などの講座を、たくさんやっていることがわかりました。

銀座のど真ん中(2丁目)にサテライトテンプル「築地本願寺GINZAサロン」もオープン。地域にも、一般の人たちにも、大きく開かれた、たのもしいお寺です。

 

築地本願寺の公式HP  http://tsukijihongwanji.jp

 

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境内では、激しく変わりゆく築地の町並みを、親鸞さまがしっかりと眺めております。

おしまい

Text : miho

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