• レビュー
  • 2015/11/13 08:44:57

雑誌「ビッグイシュー日本版」をご存知ですか?

 

ビッグイシュー日本版 Vol.274(2015.Nov.1)

ビッグイシュー日本版 Vol.274(2015.Nov.1)

『ビッグイシュー日本版』という雑誌があります。元々は、1991年に英国ロンドンで創刊されたもので、表紙には「ホームレスの仕事をつくり自立を応援する」と書かれています。定価は350円で「☞350円のうち、180円が販売者の収入になります。」とも書かれています。多分、皆さんは、見たことないな、と思われたはずです。なぜなら、普通に本屋さんで売られているわけではないのです。そうです、もうお分かりですね。この雑誌は、ホームレスの方たちが、自分たちの収入を稼ぐために、街頭に立って1冊1冊手渡しで販売しているのです。

ホームレスの仕事をつくり自立を応援する

ホームレスの仕事をつくり自立を応援する

2ページ目に、その仕組みについて触れた文章があります。
「ビッグイシューは、ホームレスの人々に収入を得る機会を提供する事業として、1991年にロンドンではじまりました。ビッグイシューを創設し、その基礎をつくったのはジョン・バードです。
雑誌販売者は、現在ホームレスか、あるいは自分の住まいを持たない人々です。住まいを得ることは単にホームレスの状態から抜け出す第一歩に過ぎません。そのため、住まいを得たホームレスの人でも、必要な場合にはビッグイシューの販売を認めています。最初、販売者は、この雑誌10冊を無料で受け取り、その売り上げ3500円を元手に、以後は170円で仕入れ、350円で販売し、180円を彼らの収入とします。販売者全員が行動規範に同意し、顔写真つきの販売者番号の入った身分証明書を身につけて雑誌を販売しています。
販売者のマナーなどにご不満やご不審な点がありましたら、ビッグイシュー日本までお問い合わせください。その際には、販売場所もあわせてお知らせください。」
何らかの事情でホームレスにならざるを得なかった人々に、分け与えるのではなく、自分たちで稼ぐ手段を提供している社会活動なのです。

特集「味わう! ”食の原点”

特集「味わう! ”食の原点”

さて、雑誌の内容はどのようなものなのでしょうか?ちなみに、現在売られているVol.274(2015年11月1日号)の特集は『味わう!”食の原点”』です。
「私たちの祖先は食べ物の欠乏に備え、知恵を総動員し、塩漬け、干す、燻す、発酵などの技術を重ねてきた。一方、その食べものの滋味と栄養が ”食の原点” をつくってきたのではないだろうか。

小泉武夫「日本人は ”究極のベジタリアン”」

小泉武夫「日本人は ”究極のベジタリアン”」

そこで、小泉武夫さん(東京農業大学名誉教授)に「日本人が食べてきたもの」について聞いていた。また、能登半島の珠洲市で400年以上続く、”揚げ浜式製塩” の技術を守る角花洋さん、350年以上の歴史をもつ「手火山式のかつお節」を静岡県の御前崎で作る吉村孫俊さんに取材した。

食の原点「揚げ浜式製塩」「手火山式かつお節」

食の原点「揚げ浜式製塩」「手火山式かつお節」

さらに、料理研究家の枝元なほみさんに「塩」を巡るレシピを紹介してもらった。

枝元 なほみ「潮がなくちゃ始まらない」

枝元 なほみ「潮がなくちゃ始まらない」

秋、私たちの食の歴史を振り返り、その原点を味わってみたい。」と書かれています。
他には、リレーインタビュー 私の分岐点「女優 原 史奈 さん」、スペシャルインタビュ「マーク・リーイ」、インタビュー「米国ジャーナリスト ダン・ラザー」などが並びます。
また、高松英昭 写真展「STREET PEOPLE」、ビッグイシューアイ「進む企業への丸投げ、官製ワーキングプア」、オーストラリア「ブフの刑務所、監房に閉じ込める考えは、時代遅れ」など硬派の記事も多く掲載されています。ソシアルシステム構築を目指す雑誌だけあって、社会問題をまっすぐ正面から見据えています。
海外の記事やインタビューの多くは、英米の姉妹誌からの翻訳引用だと思われます。
日本版オリジナルの連載も何本かありますが、中でも興味深いのは「ホームレス人生相談×枝元なほみの悩みに効く料理」のコーナーです。本誌に寄せられる読者のお悩みに対して、ホームレスの方が人生相談に応じるというもので、ある意味人生を達観した皆さんのお答えが、毎回秀逸で、なるほどね!と、思わず相槌を打ってしまいます。枝元なほみさんは、同じ相談に対して、悩みに効くレシピを提案します。

枝元 なほみの悩みに効く料理 「ホットケーキ&大人のホットチョコレート」

枝元 なほみの悩みに効く料理
「ホットケーキ&大人のホットチョコレート」

今回は「35歳になりましたがおとなになったと思えません」というお悩みに49歳のホームレスの方が、人生の先輩としてアドバイスしています。枝元さんのレシピは「ホットケーキ&大人のホットチョコレート」でした。

裏表紙はバックナンバーリスト

裏表紙はバックナンバーリスト

裏表紙にはバックナンバーが表紙の写真入りで並んでいます。海外のセレブやアーティスト、日本の女優さんや落語家さんもメインで特集されています。
「ご注文は販売者まで、お気軽にお問い合わせください。~売り切れの号でも、奇跡的に(!?)販売者が持っている場合があります。」だそうです。

次号の予告「スペシャルインタビュー『 ヘレン・ミレン』」

次号の予告「スペシャルインタビュー『 ヘレン・ミレン』」

次号は、明後日11月15日の発売で、スペシャルインタビューは女優の「ヘレン・ミレン」、特集は「”地” につく」です。
『ビッグイシュー日本版』は毎月1日と15日の2回発売です。ホームレスの方たちが、駅に近い繁華街のどこかに立って販売しています。彼らを見かけたら、一度気軽に声をかけてみてはいかがでしょうか。そして、1冊買って読んでみましょう。色々な意味で人生を考える良い機会になりますよ。

Text : tohru

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