• 活動レポート
  • 2016/11/1 05:00:17

食の仕事人 第38回 一流シェフが絶賛する日本産のイタリア野菜

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山形県河北町。県の中央に位置し、特産品は紅花とスリッパ、名物はB級グルメ『冷たい肉そば』という、およそイタリア料理とは縁のなさそうな町です。その証拠に町にはイタリア料理店が一軒もありません。

しかし、そんな町が今、イタリア野菜でにわかに活気づいていると聞き、取材に訪れました。

お話を伺ったのはかほく商工会の芦埜さん。河北町をイタリア野菜の町にしたキーマンの一人です。

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「商工会が『農商工連携事業』の委託を受けたことがきっかけです。事業を模索していた時、都内のレストランの方から輸入物のラディッキオ・トレヴィーゾという野菜が、キロ単価2500円で取引されていると教えてもらったんですね。こんな値段で取引されている野菜なんてないぞ、と驚きました。また国産の野菜を使いたいが、品物がないという意見も伺えました。これはいけるんじゃないか、と」

ラディッキオ・トレヴィーゾはイタリアのヴェネト州を代表する鮮やかな赤と強い苦味が特徴の冬野菜です。12月から3月頃まで出荷が可能である冬野菜が栽培できれば冬の間の畑の有効利用にも繋がります。そこで商工会で有志の農家を募り、さっそく種を取り寄せてみたそうですが、栽培については苦労があったそうです。

「まず種まきの時期がわからないですし、いつ収穫すればいいかもわかりませんでした。誰も作り方がわからない(笑)Youtubeで検索したりして、試行錯誤しました」

そうしてついにラディッキオの栽培に成功します。

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「他の産地には真似できない味になっていると思います。栽培が安定してきて、ある程度販路の見通しが立った2013年に立ち上げたのが〈企業組合かほくイタリア野菜研究会〉です。その年の6月から販売を開始しました」

研究会では栽培マニュアルを作成し、生産者を増やす他、首都圏を中心としたイタリア料理店と直接取引するほか、ブランドイメージ向上のためのマルシェや料理教室などの活動も行っており、トレヴィーゾはイタリア野菜研究会を象徴する野菜としてシンボルマークにもなっています。

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「シェフの方に安定して供給するために作付面積を増やしていきたいですね。そのためには消費量を増やす必要があります。一般の消費者の方にも手にとってもらいたい。それから山形県を訪れた時、飲食店に入ればイタリア野菜を食べられるというような環境をつくっていきたいですね」

河北町のイタリア野菜は催事などにも積極的に出店しているので見かけた方は是非、声をかけてみてください。生産者は素敵な方々ばかりで、その人間性も魅力だと感じました。

取材後記 情熱の色

地方の自立や地方創生。言葉では簡単だが実際には難しい。町おこしはあらゆる場所で行われているが、河北町の試みが成功している理由はなんだろうか。一般的にはあるものを売るという既存のやり方ではなく、市場が求めているものをつくって売る=マーケットインの発想で事業にとりくんだこと、と説明がつく。

しかし、河北町の場合はそればかりではない気がした。最大の成功要因は諦めずに数々の困難を乗り越えてきた生産者の熱意ではないだろうか。白い雪に映えるラディッキオの鮮やかな赤は彼らの情熱を象徴している。

 

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