• キッチン
  • 2017/6/23 10:40:42

料理じゃなくて自分を変えて美味しくする?今更だけどミラクルフルーツは興味深い

おいしさのために料理はもとより、食材を選びかた、食品の製造方法、栽培や生育環境などまで人類の工夫は目を見張るものがありますが、食べる対象をどうにかするというところからスイッチして、自分の味覚をなんとかするというアプローチがあります。数年前から時折注目されているミラクルフルーツなどはその良い例です。

wikipediaによれば、

西アフリカ原産のアカテツ科の果物。果実自体は甘くないが、次に食べた物を甘く感じさせる特徴を持つ。数本の炭化水素鎖を持つ特殊な糖タンパク質であるミラクリンを含んでいる。この実を食べる(その際、果肉を舌にこすりつける様にするとよい)と、ミラクリン分子が舌の味蕾に結合し、次に食べた苦味や酸味のある食べ物(レモンやライムなど)および薬剤を甘く感じさせる。この効果は30分から2時間程度持続する。ミラクリン自体は甘味料ではなく、感じる甘味は後続の食べ物に左右される。

2000年ごろから注目されていたミラクルフルーツ。ミラクルフルーツを活用したフードフェスや2005年にはミラクルフルーツカフェなる店舗まで登場したりで話題になっていました。かつては入手が容易ではなかったのですが、2016年現在はミラクルフルーツの果実も販売される一方で、タブレット商品なども出回ってきわめて入手しやすいアイテムです。

ただ冒頭に書いた通り、食べる対象物をどうにかするのではなく、食べる主体である自分の味覚を科学的にチューニングするというのは興味深いなと、今更ですが入手してみました。入手したのはタブレットのミラクルフルーツ。

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パッケージは英語ですが開封すると日本語による説明書きがあります。

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パッケージ裏面には「こんなものを試してごらん」という食品がいくつか表示されていました。酸っぱいものだけかと思ったら、チーズに唐辛子、パイナップルなどもあがっています。果たしてそれぞれがどんな味わいになるのでしょうか。

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なお中に入っている商品はこんな錠剤です。

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実際にパッケージ通りに食品を集めて、順番にトライしてみることにします。

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錠剤は1つで30分から最大2時間ほど効果が持続するのだそうです。口の中に入れたら飲み込むのではなく、唾液で溶かしながら口の中に満遍なく広げる必要があるそうです。口に入れてもこれという味は感じないのですが、教えてもらった通りに口の中に塗りたくるような感じで転がします。

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まずはライムからスタート。思い切って皮以外の部分を一口にガブリを口に入れてみます。

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ライムのフレーバーはしっかり残っているので、ライムとはわかるのですがまるで酸味を感じません。蜜入りライムみたいな新しいフルーツを感じさせる味わいです。続いてスーパーで売られていたカットパイン。ミラクルフルーツ前に味見をしてみたらあまり甘くなく、酸味が強かったので楽しみにしていたのですが、これはどうでしょうか。

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これも酸味がなくなって、甘さがしっかりと強くなります。ただライムとは違ってフレーバーが弱いのか酸味がなくなることで味の輪郭がぼやけたような感じになります。酸味が甘さになるだけではそれ自体がおいしさに直結しないということが、当たり前ながらよくわかります。

続いてチーズです。

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これは正直、ミラクルフルーツによる変化を感じられませんでした。もしかしたら酸味の強いチーズなどは甘さが強くなるのかもしれません。

最後に唐辛子です。シーズンの都合からフレッシュが入手できず、冷凍品を解凍したであろうセミドライな鷹の爪を食べてみました。

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これは結構、興味深い体験で辛さが変わることはないのですが、唐辛子に備わっている酸味が甘さに転換されてしまうらしく、甘辛くなります。特に顕著に出るのは種の部分。激しく辛く、そして癒しを感じる甘さもあります。

こうやって横断するとやはり酸味への影響度はすごく高いので、もっと酸味の強いものを試してみようと冷蔵庫からポッカレモンを用意。

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ショットグラスに注いで一気に飲んでみようと思います。

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キュッと一息に飲んでみるとライム同様にハチミツレモンのような味わいです。酸味はありません。もう一杯、ゴクゴク飲んでみます。すると本来は酸度が高いフルーツですから、口は理解しなくても胃袋がびっくりして収縮するのがわかります。胃袋には味覚はないのに酸味に反応する仕組みがあるのだということが、こんな人体実験で判明するとは・・・。

ところでこのミラクルフルーツの効果ですが、一度口に入れてると何をしても消えないかというとそんなことはなくて、熱い飲み物を飲むことでさっと流れてミラクルフルーツの効果はゼロになります。その瞬間に酸味も流れてしまうので、後から突然酸っぱくなるということはほとんどありませんが、頬の内側にわずかに残った酸味が現れることがありました。

しかしこうやって改めて体験してみると「おいしい」という感じるものが、必ずしも食べる対象側の問題ばかりではないのだと考えさせられます。実際、ミラクルフルーツを栽培している西アフリカの地域では食べにくいものを食べるときに利用しているわけですから。

そういえば私たちも美味しく食べるときにチューニングしていることがありました。「空腹はもっとも効果のある調味料」でしたね。

Text : motokiyo

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