• キッチン
  • 2017/5/17 05:00:16

山椒と柑橘類などのジャム。酸味を数種類まぜて厚みを作ると美味しくなった

和歌山県のぶどう山椒を使ったフルーツ&スパイスのジャム作りに2度目のチャレンジ。前回はまるでいいところが出せず終了。同じミカン科を日向で育つみかんと日陰をこのむぶどう山椒で合わせてみよう思い立ったものの、もっと酸味が必要だという壁にぶつかった。

前回は仕上がったジャムに少量のクエン酸を加えたらかなり味が収斂して改善したので、レモンなど酸味の強い同じ柑橘系フルーツを加えていくことが当面の改善策と思われました。ただこの際、せっかくだから色々な酸味を加えてみてはどうか。前回からの冷凍みかんに加えて広島レモンや、保管していたシークワーサーやヘベスの冷凍果汁にきんかんなどを並べてみました。

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まずはそれぞれをピューレにして、ミックスしながら配合を確かめてみようということに。まずは半割りにしたみかんをミキサーに加えて、

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最初はガリガリガリッと激しい音をさせるものの、次第に軽い音に。

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開けてみるとシャーベット状になっています。

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きんかんも、

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同じことをしていきます。

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できたらボウルに開けておきます。

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レモンは種を外してから。

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皮付きのままミキサーにかけるのは皮やじょうのう膜に豊富に含まれるペクチンを活用した方が良いと判断したため。ほかのフルーツも基本的に皮付きのまま活用することにします。

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あとは試食を繰り返しながら相性の良いパターンを探っていきます。色々なフルーツのピュレがあったのですがジャム研リーダーの提案により

日本の果物に限定することにしました

どれも基本的には柑橘系なので相性が良いのですが、なかでも青みのあるフレーバーの強いグループと華やかな香りのグループに分かれるので、このバランスを見ていきます。

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リーダーが試食の結果から2種類に絞り込んで作ってみようと提案。

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みかん、きんかん、ヘベスの3種類バージョンと、さらにレモンを加えた4種類バージョンです。レモンを加えるとキリッとした酸味が加わるもののなんだかよくある<柑橘ミックス>な味わいになりそうで、3種類バージョンはきんかんの味わいが強く出るのがみかんの存在が危ういのではないかなど、あれこれあ悩みはつきません。

ただ前回のような思い切った失敗にはならないだろうと、、、あとは配合通りにそれぞれ組み合わせてジャムにしていきます。もちろんぶどう山椒も忘れません。

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まずは3種類バージョン。

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こちらは4種類バージョン。白っぽいのが広島レモンです。

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砂糖は半量を加えます。煮詰まり方をみて残りの加え方を調整できるようにするためです。

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煮ていきます。ペクチンが加熱に耐えられるのは概ね20分なので、20分の間に狙った糖度まで上げていく必要がありますが、あまり強火にしすぎると鍋底が焦げやすくなるので、バランスの良い加減で作業を進めます。ちなみに加熱によってペクチンが壊れてしまうとゲル化しなくなります。熟れすぎた果物がぐったりするのと同じようなことがジャムの調理でも起こるのです。

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したがって煮詰まってる状況をみながら、随時、糖度計で確認していきます。また焦げるのを避けるために混ぜながら時折、火から外すことも必要です。ただ外す時間が伸びると加熱時間がかかってしまうので注意が必要です。

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山椒の量は前回からは見直して、総重量の1%としました。

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全体にゲル化が進み始めたところで残りの砂糖を加減しながら加えます。

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糖度計と同時にコップの中の水にジャムを落として、さっとゲル状に固まっているか、コップテストでも確認。

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ジャムがほぼ仕上がったら山椒を投入。山椒の香りをジャムに移しすぎないようにさっと混ぜて仕上げます。こうすることで山椒のスパイシーな味と香りがカプセルとなってジャムのアクセントになると考えました。

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ちなみに緑色は熱によって茶色く退色しがちですが、ぶどう山椒の緑はあまり退色しないようです。淡いヨモギのような色合いが柑橘の黄色に映えます。

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ということで2種類仕上がりました。左がレモンなし、右がレモン入りです。見た目はほとんど変わらないですがレモンが入ると若干ながら色が明るめです。

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こちらはみかんときんかんとヘベスの三種。全体に甘みの強い仕上がりになり、中でもきんかんたまたまがセンターに躍り出るような華やかな味と香りです。キリッとした山椒のスパイシーな柑橘の香りと、痺れるような味わいがよく合います。同じミカン科の山椒属、きんかん属、ミカン属の三種が揃い踏みならではのパワーを感じます。

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そういう意味ではレモンもミカン属。さっぱりとした苦味と酸味が加わったバージョンは、甘みと酸味と苦味のバランスがちょうど良く、痺れる辛さも程よく仕上がりました。優等生のようなバランスの良さと幅広く受け入れられそうな感じです。悪くいえばエッジがゆるい仕上がりという気もします。

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ぶどう山椒のカプセルは見事に機能しました。しかしこうやって食べてみるとミカン科の栽培品目は粒が小さくなればなるほど味のパワーがあるのかもしれません。

以前にリリースした「きんかんと唐辛子のジャム」に続いて「みかん(科)とぶどう山椒のジャム」が(ほぼ)完成となりました。前回は新宿伊勢丹で紹介する機会がありましたが、今回は目処がないのでどんなリリースにするか未定です。

そして実はこの「フルーツ&スパイスのジャム」シリーズは、あともう一種類、胡椒でトライしたいのですが現状では生の胡椒の入手が難しそうです。入手の目安がついたらこのシリーズの最終版としてチャレンジしたいと思っています。それでは!

Text : motokiyo

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