• キッチン
  • 2017/4/5 05:00:34

柑橘類の薄皮(じょうのう膜)を酵素パワーできれいに取り除く

オレンジやグレープフルーツなどを食べるときに気になる果肉を包む薄い皮。ある酵素を使うときれいに取り除くことができます。実際にグレープフルーツの薄皮でどんな感じでできるのか試してみました。

柑橘類の果肉を包む薄い皮、健康面では期待できる様々な機能があると指摘されていますが、口に残る感じや独特の苦味などもあるので、(とくに缶詰フルーツのみかんやオレンジを知ってしまうと)薄皮をなんとかきれいに取り除きたくなってしまいます。ちなみに正しくはあの薄皮に包まれた小袋の状態を瓤嚢(じょうのう)といい、薄皮を瓤嚢(じょうのう)膜と言います。つまり今回、取り除きたいのは「じょうのう膜」ということです。1個2個程度なら手でむけばいいのかもしれませんが、意外にうまくいかなかったり、むく過程で崩れてしまうとがっかりです。

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例えばみかんの缶詰などの製造においては、この薄皮=じょうのう膜を取り除く方法として、0.4%程度の塩酸液に浸して溶かしてから水酸化ナトリウム液につけて中和させる方法などがあるようです。しかしながら一般に塩酸を適切かつ安全に扱うのは難しく、危険も伴います。より安全にじょうのう膜を取り除く方法はないのでしょうか?

そこで今回の酵素を使う方法です。薄皮=じょうのう膜を構成しているのは成分のひとつがペクチン。このペクチンを分解する酵素を使うと、じょうのう膜が溶けてしまうのです。その酵素とは「ペクチナーゼ」。ジャムづくりには欠かせない大切な成分ペクチンを分解するとは、まさにジャムキラーです。

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上写真のペクチナーゼはアマゾン(amazon.co.jp)で購入しました。メーカーのRITCHIES PRODUCTSはワインやビールを自家醸造するためのキットを開発・販売している会社で、このペクチナーゼももともとは絞った果汁に浮遊しているペクチンを溶かして透明にしたり、果実を溶かして果汁を抽出することを目的に作られたもののようです。購入価格は、2017年4月4日現在で価格は 355円+782円(関東への配送料)。東京ですと注文してから2週間〜20日程度で到着します。なお、この商品以外にもアメリカではリキッドタイプの商品などもあるようです。

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到着したボトルのラベルに書いてあることをまずはチェックしてみます。

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ボトルが湾曲しているので文字が読みづらいかと思うので、テキストにするとこんな感じ。

To clear pectin haze use 2 teaspoons per 4.5ltr and stand at not less than 20c untill clear.For extraction of juice,add one teaspoon per 1.8kg of fruit,pectin should be destroyed in 8 hours at 20c.Ingredients,pectin enzyme,glucose.
HARMFUL May cause sensilisation by inhalation of dust,wear protective clothing,imtating to eyes,rince with water,seek medical advice.
Store in a cool dry place.keep out of the reach of children.

日本語は以下のようになります。なお以下の二箇所は勝手ながら修正しました。
修正1)sensilisation → sensibilitation (アレルギー反応)
修正2)imtating to eyes →irritating to eyes (目に刺激を与える)

ペクチンによるにごりを取るには、液体4.5リットルあたり本製品をティースプーン2杯分投入し、全体が澄むまで温度が20度を切らないよう保温してください。ジュースを抽出する場合は、果物1.8kgあたり本製品をティースプーン1杯分投入してください。20度に保温した状態で8時間経つとペクチンが完全に分解されます。原材料: ペクチン酵素、グルコース。
有害 粉を吸い込むとアレルギー反応を引き起こす可能性があります。使用時は体全体を覆う服を身に着け、目に痛みを感じたときは水で洗い流し医師の診察を受けて下さい。冷涼で湿気のない、子供の手の届かない場所に保管してください。

以上、なるほどわかったところで開封。ボトルの一番上までびっしり粉が入っていたので、少しこぼれました。

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さっそくグレープフルーツ(ルビー)の皮をむいて小房に分けます。

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白い部分もくっつけたまま、じょううのうの状態でジップロックに入れ、水を注ぎ全体が1kgになったところに5gのペクチナーゼを投入します。パッケージに書いてある通り、20度を下回らないようにする必要があるのでジップロックをJouleに投入して30度をキープするためです。

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粉が行き渡るように撹拌したら、そのまま空気を抜きながら封をします。ペクチナーゼはさっと水に溶けたようです。

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常温の場合を見るためにボウルに同じように、じょうのうのグレープフルーツ(ホワイト)をボウルに作ります。

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ルビーの方はJouleで30度・8時間に設定します。

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3時間ほどすると、ホワイトの方は表面のじょうのう膜が溶け始めているのが目視できるようになってきました。

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同じタイミングでルビーの方も溶けてきていますね。

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そして、そのまま8時間ほどほったらかしにしておいた結果。ホワイトの方から確認すると、じょうのう膜が溶けかけていて、触った感じはヌメヌメしています。軽く触るだけて膜がむけてしまいます。

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白い部分も軽く引っ張るだけで、簡単に外れてしまいます。

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流水ですすぎながら膜と種を取り除くと、ツルンツルンの美しい状態になりました。

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酵素を使わずに皮をむいた状態と比べると明らかにきれいですね。ただ、全体にもろくなっていて、折れやすいという特徴もあります。取り扱いはソフトに。

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Jouleで30度8時間経過した方はどうでしょうか。ボウルにあけてみると、すでに膜が半透明がかって溶けているのがすぐにわかります。

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アップで見ても分解してきているのがわかります。

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こちらも軽く触れる程度でじょうのう膜が剥がれます。薄い箇所はすでに膜が溶けて失われていました。

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流水で洗うと瞬く間にきれいになります。室温放置のホワイトよりも融解はしっかり進んでいるようです。とはいえ、この程度の違いならJouleの手間をかけずに室温放置時間を延ばした方が簡単かもしれません。

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ご覧の通り、プルプルの状態になりました。

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ということで、朝の仕込みで夕方にできあがり。夜に準備しておけば朝においしい柑橘が食べられますね。

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食べてみるとじょうのう膜と白い筋がないので、口当たりがソフトでジューシーです。また白い筋がないことで苦味がなく、甘さが際立っている感じです。ただ柑橘類にあるホップのようなほろ苦さが好きという方は物足りないかもしれません。

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近々、このペクチナーゼを使って、さらに柑橘類でまた別のアイテムをつくてみたいと思います。


追記:元ネタは以下の動画です。なおここで使っているのはリキッドタイプのペクチナーゼで、冷蔵庫保管をしていますね。(2017/04/05-8:41)

 

Text : motokiyo

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