• キッチン
  • 2017/3/6 05:00:06

鶏の水炊きの研究

今日のテーマは鶏の水炊きです。水炊きは長崎が発祥と言われています。歴史的には出所が不明な料理で、そのあたりも興味深いのですが、今回は名店のような味に近づけるべく研究を進めます。

水炊きのポイントはとにかくスープです。

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お店では鶏ガラを長時間、煮込んでつくるスープは市販の鶏ガラスープとはまったく別物。一番の違いはゼラチン分です。豊富なゼラチン分が乳化剤になって鶏の脂などが溶け込み、まろやかな味になっています。作り方としては中華の白湯スープに近い。今日はそのあたりのメカニズムをふまえて、食育通信online的な水炊きをつくってみます。

水炊きスープ

鶏手羽先(スープ用)約1kg

水    1.5L

ねぎの青い部分 適当

塩       適量

鶏もも肉骨付きまたは骨抜き 好きなだけ

ポン酢     適量

あおねぎ    適量

家庭で味を再現するならゼラチン分の多い部位をつかうのが手っ取り早いか、と思い、お肉屋さんでスープ用の手羽先を購入しました。手羽先は鶏で最もゼラチン分の多い部位です。

旨味の相乗効果を狙って昆布を入れたくなりますが、入れると乳化がうまくいかないことがあるので、避けた方がいいでしょう。アルギン酸が影響するのかも知れません。賛否両論あることは理解していますが、旨味を足したい場合は市販の旨味調味料(グルタミン酸ナトリウム)を入れた方が簡単。もちろん、味の素を使うときは食べた人が気づかない程度の量、使うことが重要です。個人的にアミノ酸系の調味料の味が好きではないので今回は入れていません。ケースバイケースですね。

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このスープ用の手羽先はお肉屋さんに頼めば安価に手に入るはずです。これで350円くらいでした。

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まずは下処理、沸騰した湯に十秒間通して、表面を殺菌します。

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水で表面を軽く洗い流します。

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蓋ができる鍋に分量の手羽先と水を張り、強火にかけます。

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ネギの青いところがあったので、鍋に入れました。沸騰するまでにアクが多少出てきます。はじめのアクは取りのぞくことにしましょう。

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しっかり沸いたことを確認して、中火に落とし、蓋をします。

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吹きこぼれないように注意しながら、強めの火加減で煮ていきます。加熱時間は1時間です。

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一時間経ちましたが、液体が乳化していません。けれど、心配はご無用。ハサミで手羽先を半分に切っていきます。加熱したことで多少は切りやすくなっているはずです。

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こんな風に骨が露出している状態になります。

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火を強めて、木べらでかき混ぜながら5分間〜10分間、加熱します。この作業によって液体の乳化がはじまります。

スープをとる時の基本は弱火でことこと、ですが、白湯系のスープは油脂分を乳化させていくために強火でガンガン煮ていきます。圧力鍋を使うと対流が弱く、上手に乳化しません。攪拌しながら煮る特殊な圧力鍋もありますが、時間を短縮したい場合は圧力鍋で三十分ほど加熱し、その後、骨を砕くなどして、やはり強火でガンガン煮ていきましょう。

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ザルでがしがし濾していきます。

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塩で味付けします。この液体、劣化する速度が速いので、すぐに食べない場合は氷水にあてるなどしてなるべく早く冷やすようにしましょう。

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ザルでこした肉や皮のかけらもいれてしまいます。この状態でミキサーにかけたほうがお店の味に近づけますが、今回は省略しています。ここで市販のラードを大さじ2ほど投入し、ミキサーにかけるという裏技もあるので、興味があればお試しください。

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冷蔵庫で冷やすとこんな感じの状態になります。すごいゼラチン分ですね。

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具材には骨付きの鶏もも肉のぶつ切りを使います。肉には塩を振って、下味をつけておきます。お店ではあまり下味はつけませんが、塩味はつけておいたほうが確実においしくなります。ちなみにしゃぶしゃぶなどを食べるときも同じように肉に塩を浸透させておいたほうがいいです。

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コラーゲンを含んだ液体で肉を茹でていきます。加熱時間は弱火で10分です。ゼラチンが筋繊維のあいだに入り込むので、肉にふっくらと火が入ります。この後、火を止めて20分ほど冷ますと肉がより柔らかくなりますが、今回は省略しました。

最後に泡立て器で混ぜて、とどめの乳化作業を行います。肉をいったん取りだして、バーミックスで混ぜても良かったですね。

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まずはスープを味わってもらいます。好みで塩を適宜足してもらうようにするといいでしょう。

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肉はポン酢とネギで食べます。野菜を入れるとスープの味が薄まるので、投入するならこの後にしましょう。シンプルな鶏の水炊き。まだまだ寒い日が続くなか、食べて温まりましょうか。

Text : naoya

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