• キッチン
  • 2017/1/25 05:00:54

丸系八つ頭でスイーツ?フードペアリングで意外な材料と組み合わせてトリュフに。

「丸系八つ頭(マルケイヤツガシラ)」は埼玉県で栽培が進んでいる古くて新しい品種です。このヤツガシラのフレーバーのペアリングを調べて、里芋スイーツを作ってみたという話しです。里芋でスイーツ?と思われるかもしれませんが、これが結構美味しいスイーツになります。材料も3種類だけの超シンプルバージョンです。

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八つ頭は里芋の一種。親芋のまわりに小芋がたくさんくっついている様子から「人の頭に立つ」や「八」という漢字が末広がりだという縁起物で正月のおせち料理で使われることが多い芋です。しかし写真をご覧のとおり、今回の八つ頭は親芋一個だけの「芋のデススター」みたいです。

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栽培経験のある方は、こういうまん丸く育った親芋を見たことがある人はいるようです。丸系八つ頭を開発した埼玉県農林総合研究センター園芸研究所も、ある農家から譲り受けた丸い親芋を系統選抜をくりかえして固定化したものだそうです。存在としてはずいぶん古くからあったそうですが、作物として成立したのは比較的新しいそうです。それが「古くて新しい」という意味。

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洗って皮をむきますが、いわゆる里芋のように厚くむく必要はないようです。また一般的な里芋の場合、皮をむくと独自のぬめり(ぬめりの正体はガラクタンとムチン)が出るのですが、丸系八つ頭の場合は、ほとんどぬめりを感じません。ピーラーで皮むきは楽チンです。小芋がたくさん付いている里芋に比べて皮むきの時間は約半分。廃棄率も3/4なんだそうです。ぬめりがないので拭き取りも、下ゆでも必要ありません。

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皮をむいた状態で測ると478g(直径15cmくらい)。大きいものだと900g〜1kgとかなりの大きさになるようです。大きさゆえに流通しなくなった大玉スイカのことを思わずには入られません。500g程度でちょうど良いかもしれませんね。

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むいた姿はこんな感じです。表面にぬめりが出ていないのがわかるでしょうか。持ってみると、ほのかにベタベタした感じはあるのですが、ほとんど気になりません。

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半分に割ってみると、しっかりしたボディ感はあるものの生のサツマイモのような硬さではありません。そしてその断面は一見フォアグラにも見えそう。

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1.5cm程度の厚さにカットして、湯煎のために耐熱のジップロックに入れます。写真はファスナー付きですが、電子レンジ加熱の耐熱レベルであればメーカー含めどれでも大丈夫です。ただし廉価商品の中にはレンジアップに耐えられず溶けるものがありますので注意と確認が必要です。

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ジップロックに入れるのは余計な水分をつけずに火を通したいため。鍋に入れた水の水圧でジップロック内の空気を抜いて、そのまま76〜80度程度の温度で30分以上加熱します(この丸系八つ頭の適正加熱温度と時間については別の研究をあらためて紹介します)。

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30分以上経過すると芋の表面の様子がやや透明がかってきて、柔らかくなります。

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ジップロックから取り出します。ホクホクの状態でそのまま食べても美味しい!ジャガイモのような独特の青くささもなく、そのプレーンな味わいはコロンとした形状とあわせて不思議な魅力があります。煮物や汁物に入れても美味しいのでしょうね。

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続いて、マッシャーで潰します。茹でたり蒸したりしていないので、マッシュするにはパワフルさが必要です。ジャガイモよりもむっちりと固く感じられますが、ひるまずにどんどんマッシュしていきます。

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写真くらいになると、マッシャーが役立たなくなります。それでも繊維がしっかり残っている様子もあるので、、、

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乳ばちに移して、キメが細かくなるまでどんどんすり潰していきます。

さてここで里芋(タロイモ・八つ頭を含む)に備わった基本的な香りのペアリングを探してみました。使ったのはフードペアリングのWebサービス。画像の丸印内が緑色に塗りつぶされている面積が大きいほどマッチしていると考えます。するとほぼ100%のベストマッチ食材があるではないですか!

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それは、ヘーゼルナッツピューレでした。ということで、今回は丸系八つ頭とヘーゼルナッツのピューレを合わせてトリュフ状に形を整えてココアパウダーをかけていきます。ヘーゼルナッツのピューレといえば「ヌテラ(Nutella)」が有名ですね。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/ヌテラ

イタリア生まれのヌテラは世界的にヒットしているスプレッドの一つですね。第二次世界大戦のときにカカオが不足して転換が行われたことをきっかけに広がったヘーゼルナッツがヌテラ登場の背景にあるようです。最近はスナック菓子とのコンビ商品も登場してコンビニで見かける機会もでてきました。ということで、手軽に入手できるヌテラを使うというのも考えたのですが、なるべく原材料が少ないものを探した方が相性の程度が見えてくるかと考えて別のものを探してみました。手軽さならヌテラが良いかと思います。

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今回使用したのは富澤商店で販売していたヴァローナのプラリネノワゼット・キャラメリゼ(70g)です。ヘーゼルナッツと砂糖、バニラエキスというシンプルな材料はこれくらいでした。ノワゼットとはフランス語でヘーゼルナッツのことです。

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ヘーゼルナッツのピューレは上記以外にも色々あるので、まずは購入したヘーゼルナッツのピューレと丸系八つ頭の味のバランスを見たところ、丸系八つ頭2に対してヘーゼルナッツピューレが1あたりが良かったので、購入したヘーゼルナッツピューレのパッケージ70gに倍量の八つ頭140gとしました。残りはマッシュポテトサラダにしたりコロッケに。また丸型の切り落とし部分については別のものにしましたが、これは別記事にてご紹介します。

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ヘーゼルナッツのピューレをマッシュした丸系八つ頭にかけていきます。またこのときに甘さがヘーゼルナッツピューレでは足りませんので、70gのグラニュー糖を加えます。

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ボウルの中でよく混ぜます。

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オーブンペーパーの上に移して、練り上げます。

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1個10グラムに分けたらローストしたヘーゼルナッツを包んでいきます。

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さらに上からココアパウダーをかけたらできあがりです。

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食べてみると、ヘーゼルナッツのピューレが入っていることからもっさりした感じはないものの、チョコレートのトリュフのような口どけ感はありません。かといってざらついた感じもなく、ソフトな口当たりです。茹で上がったときに感じた八つ頭の香りはヘーゼルナッツと一緒になると驚くほどぴったりフィットするので、八つ頭を食べている感じはまるでしません。

里芋・八つ頭というと、スイーツに使うイメージがないかもしれませんが、ヘーゼルナッツとの組み合わせやテクスチャーを上手に活用するとトリュフ以外にもタルトにしたり、色々な展開ができそうですね。

Text : motokiyo

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