• キッチン
  • 2016/5/9 05:00:24

基本の唐揚げのレシピ〜中心温度65度を目指すには〜

今回は唐揚げの作り方のご紹介。唐揚げに関してはみなさんそれぞれのおいしい作り方を持っているでしょう。おさらいの意味も含めて考察していきます。

鶏の唐揚げ4人前

鶏もも肉  2枚(700g相当)

調味液

昆布だし  40g(大さじ4)

醤油    30g(大さじ2)

塩     小さじ1(濃い目の味付けです。小さじ2分の1まで減らすことができます。塩を減らしすぎるとジューシー感が損なわれます)

酒     10g(大さじ1)

ニンニクのすりおろし 一かけら(1g)

もしくはショウガのすりおろし一かけら(4g)

小麦粉   54g(大さじ6)

片栗粉   90g(大さじ10)

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鶏肉はもも肉を使います。好みで胸肉でも。胸肉の場合は繊維の方向が複雑なのでカットにコツがありますので、それは次回ご紹介します。

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ポイントはただひとつ。だいたい同じ大きさになるように切ることです。まずは中心に身が薄い部分がありますので半分にカット。

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それぞれ四等分くらいに切ります。やや長方形になりますが、大丈夫。

半分に切って小さい方は三等分に切りました。こちら側の身は腿の下側で縮む割合が大きいのです。

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秘密の材料。昆布出汁です。昆布のグルタミン酸が鶏肉の味を引き出すうえ、揚げると失われる水分を補いジューシーにする働きもあります。昆布だしは水1リットルに昆布を一晩つければOK。水出しにするのは必要以上の昆布の香りを出さないため。

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調味液をつくります。今回はニンニク風味にしましたが、ショウガ風味もおいしいです。

醤油や酒だけで味付けするのと違い、基本的には塩水に漬ける感覚。塩がタンパク質にもたらす働きについては以前、『鶏胸肉をしっとりジューシーに』の回でご紹介しました。

塩に肉を漬けると、まず筋肉繊維の構造が破壊されます。また3%の塩水に漬けることで、収縮性タンパク質の一部が溶解し、筋繊維自体が柔らかくなります。そして、塩とタンパク質が作用しあって、筋細胞内に多くの水分が吸収されます。簡単に言うと肉が水を吸い込むわけです。(この際、水にタイムやレモンなどの香りを漬けておくと一緒に浸透します)

肉に調味液を吸わせるために十五分間漬け込みます。

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写真の量は二人前、半量です。もも肉一枚分なので調味液が若干多いでしょうか。

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粉は二種類使います。小麦粉と片栗粉です。

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まずは小麦粉を調味液に混ぜ込んでいきます。水に馴染みやすい小麦粉でまず肉をコーティングします。小麦粉を混ぜ込むことで油はねも防げます。

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次に表面に片栗粉をまぶしていきます。片栗粉はデンプンですので、カリッと仕上がります。また、片栗粉を混ぜ込む方式よりも薄い衣になります。

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ここで皮を引っ張るようにして成型します。皮は揚げると縮みますので、大きさを揃えることに繋がります。

さて、油で揚げるわけですが、目的は肉の中心温度を65度前後にしつつも、表面をカリッと揚げることです。火は強いほうが表面の水分が飛びカリッと仕上がりますあg、鶏肉は熱慣性が悪いため、中心が生という事態も置きます。それを防ぐには二度揚げが効果的。最初に低温で揚げ、肉を休ませ、次に高温で揚げる、という手法です。しかし、二度揚げにすると衣が剥がれるという失敗も。それを防ぐためにはどうすればいいか。

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答えは簡単。冷たい油から揚げはじめればいいのです。もも肉一枚なら18cmのフライパン、二枚なら21cmのフライパンに1.5cmほどの油を注ぎ、衣をまぶした鶏肉を並べていきます。油の量が結構、重要で(油が多いと温度があがりにくいですし、少なすぎると上がり過ぎますので)肉に対してひたひたよりもやや少なめ、頭が少し出るくらいの油に調節します。

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中火にかけて、揚げていきます。油の温度が93度を越すと泡が立ち始めます。衣が剥がれる原因になるので触らないように。IMG_0023

揚げ色が片側につきはじめましたので裏返していきます。

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こんがりといい色がついたところで、鶏肉の中心温度を計ってみると、60度でした。色づいたものから順番に取り出していきます。

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余熱で65度まで上がります。

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切ってみると断面はジューシー。これはもう少し温度が上がりすぎていて、68度〜70度くらいだと思います

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冷たい油から揚げることで低温で加熱し、高温で表面をかりっとさせるという二度揚げの成果を同時に達成できます。このテクニックは偉大なシェフ、ジョエル・ロブションが家庭向けのポテトフライのレシピとして考案したもの。食材がじゃがいもでも鶏肉でも考え方としては同じことです。

唐揚げは結局、好み。これは衣が薄いタイプの唐揚げなので、揚げ立てを食べます。冷めた状態で食べたい(お弁当に使いたいとか)でしたら衣に卵を混ぜるなど、また作り方や分量を変える必要があります。しかし、中心温度を上げ過ぎないのは唐揚げだけではなく、すべての肉料理に共通する考え方ですね。

Text : naoya

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