• キッチン
  • 2016/4/29 05:00:01

〈食育クラブの仲間達〉マヨネーズはキユーピー! アイオリソースを常備すると便利かも

マヨネーズはキユーピー。というわけで今回は市販のマヨネーズについて考えます。手作りが一番という方も多いですが、そう決めつけるのは早計です。もちろん手作りには手作りの良さがありますが、市販のマヨネーズにもいくつかの利点があります。

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まず、劣化が少なく、日持ちするということ。

マヨネーズは卵を使ったソースにも関わらず、長持ちします。その理由は卵の粒子をお酢や油の粒子がしっかり包み込んでいるから。手作りの場合は、市販のマヨネーズのように小さな粒子にすることはできないので、手作りマヨネーズはあまり日持ちはしません。

つまり、市販品は手作りに比べて脂肪球が細かく、口当たりが軽いのです。その脂肪球の大きさは1mmの1000分の1程度。泡立て器や家庭用のミキサーではどんなに頑張っても、1mmの1000分の3程度の細かさにしかなりません。つまり市販品は手作りよりも分子料理学的には〈おいしい〉のです。

そこで今回は常備しておくと便利な『アイオリソース』のレシピをご紹介します。アイオリソースはニンニク入りのマヨネーズといった趣のソースで(歴史的に考えればもともとのアイオリソースには卵黄は入っていないのでこの表現は適切ではありませんが)スペイン料理や南仏料理に多く用います。伝統的な作り方では重い感じになりますが、市販のマヨネーズを使うとライトな仕上がりになって使いやすいか、と思います。

アイオリソース

マヨネーズ  70g

牛乳     20g

ガーリックオイル 10g

まずガーリックオイルの作り方を説明しておきます。

ガーリックオイルはよくニンニクを油で揚げてつくりますが、その方法だと香りが揮発していくだけで意外とオイルにうつりません。そこでこんな調理法をとります。

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まず180度のオーブンで半割にしたニンニクをローストします。それをオリーブオイル100ccと一緒に鍋に入れ、60度まで温めて一晩放置するのです。

あとは材料を混ぜるだけ。

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マヨネーズにニンニクのすり下ろしを入れるだけでもいいのですが、ニンニクの味が出てしまうのが難点。こちらのレシピですと軽い仕上がりのアイオリソースになります。香りだけでニンニク自体が入っていないのでアイオリソースと呼べるのかは微妙ですが、そこはまあご勘弁してください。

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100円均一の店などで売られているディスペンサーに移して、冷蔵庫で保管します。牛乳が入っているのでマヨネーズほど日持ちはしませんが、一週間は大丈夫。サラダにかけてもいいですし、茹でた魚介類などにもあいます。

今日は『いかのセート風』という料理にあわせましょう。

いかのセート風

やりいか   4杯

小麦粉    適量

白ワインまたは日本酒 50cc

トマト缶   1缶

タマネギ   半分

にんにく   1片

オリーブオイル 大さじ1

塩、胡椒

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ところでセートとは南仏の港町です。漁師風の簡単料理といったところ。まずはトマトソース作りから。

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タマネギとにんにくのみじん切りをオリーブオイルでよく炒めます。少し色づくくらいまで炒めても大丈夫。

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トマト缶を投入します。

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沸いてきたら蓋をして十分、弱火で加熱します。

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蓋をとって柔らかくなったトマトを木べらで潰します。ここでソースに塩味をきちんとつけておきます。酸っぱいなと思ったら砂糖をほんの少し加えても。これでトマトソースの準備はOK。

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いかは適当な大きさに切っておきます。今回はヤリイカを使いましたが、するめいかなら二杯でたっぷり四人前くらい。内臓を入れてもコクのある仕上がりになります。入れすぎるとくどいので一杯分くらいの量がいいか、と思いますが、お好みで。

塩で下味をつけます。

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小麦粉を振っておくのが食育通信風の作り方です。イカは表面がつるつるしているので、トマトソースが絡みません。粉を振っておくとよく味が絡みます。ちなみに本来のセート風の作り方では粉は振らないようです。

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オイルを敷いたフライパンを強火に熱し、香ばしく焼きます。できるだけ短時間の加熱にとどめるようにします。

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トマトソースとあわせます。

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フライパンに白ワイン、または日本酒を入れて、沸かしながら木べらでこそぎとります。デグラッセという重要な作業です。

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イカの旨味がとけた液体を鍋に加えます。

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ここで二つのアプローチが考えられます。ここでソースと絡めて、一二分煮て出来上がり、とするか、水分を足して1時間煮込むか、です。セート風は本来、長時間煮込む料理ですが、今回は数分煮るだけにしました。

いかやたこのタンパク質はさっと火を入れるか、充分に加熱をして加水分解するか、のどちらかしか美味しくありません。中間はないのです。また加水分解には時間がかかりますが、トマトソースというphの低い液体で煮込むと分解が促進されるため効果的です。セート風が伝統料理になったのはこうした見地からイカの加熱にトマトソースが合理的だったからだと推測できます。

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黒胡椒を振り入れてから、ラフに盛りました。胡椒を加えるのは最後です。胡椒の香り成分はどんどん揮発してしまい、後にはえぐみが残りますので、下味の段階で加える意味はありません。分子料理学の権威、エルヴェティス教授の話によると8分間で胡椒の香気成分は失われるとのこと。これはエスコフィエがギッドキュイエールで書いた記述と不思議に一致するそう。昔の人は科学的知識がなくても経験則的にわかっていたのですね。

仕上げにアイオリソースをかけるか、添えて混ぜながらいただきます。つけ合わせにはバターライスを添えました。キユーピーさんはマヨネーズを『コク味系調味料』という風に捉えているそうです。なるほど、いつもの料理に添えるだけでコクをプラスしてくれます。ただマヨネーズを添えるのではなく、市販品も上手に応用するとお客さんに喜んでもらえるか、と思います。

Text : naoya

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