• キッチン
  • 2015/5/4 05:00:01

最新調理テクニック紹介『Hot and Iced Tea』

最新調理テクニック紹介シリーズの第二弾です。今日、ご紹介するレシピはイギリスで最も有名なシェフ、ヘストン・ブルメンタールが開発した『Hot and cold Tea』です。これは温度差を味わう不思議な料理で、デザート前の口直し的に(英語で言うところのpalette cleanser)提供されています。

この人がヘストンさんです。

この人がヘストンさんです。

どんな料理かというと、熱いお茶と冷たいお茶がひとつの器に入って、飲むと唇の真ん中で分かれる……というもの。

Kelcogel-F-50g

Kelcogel F – Low Acyl Gellan Gum

 

説明するのはなかなか難しいので、どんな料理かは実際に見てもらうとして、問題は材料の入手です。この料理にはジェラン(type F)という熱に強いゲル化剤が使われていますが、そこらへんのスーパーでは手にはいりません。

しかし、家庭でも簡単に入手できる代用品があります。

それは粉寒天です。

というわけで前回、ご紹介した温かいゼリーに続いて粉寒天をご準備してください。あとは特殊な材料は必要ありません。まずはお茶(今回は凍頂烏龍茶ですが、Fat Duckではアールグレイティー。アップルサイダー、ホットワインなども美味しいようです)を淹れます。

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1L用意しましょう。次にゴムベラの大きさにあった器を用意します。

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おちょこがちょうど良さそうです。他にコップもあったので準備しました。

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お茶1Lに対して、粉寒天を2g混ぜ、加熱します。前回に引き続き伊那食品工業の『ぱぱ寒天』を使いました。

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寒天はしっかり沸騰させることが重要。沸いたことを確認したら適当な容器に入れて冷やし固めます。

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水で粗熱をとってから、、、

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冷蔵庫で2時間、冷やし固めました。ゆるーく固まっています。これだけではただのお茶のゼリーです。

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ここで固まった寒天をミキサーにかけてしまいます。ハンドミキサーでもOKです。するとゼリーは液体状になります。これを分子料理学の世界で流体ゲル(Fluid Gel)と呼びます。簡単に言ってしまえば限りなく液体に近いゼリーです。(そもそもゼリーは個体と液体の中間、少量の個体で液体を抱え込んでいる状態なので、この言い方は正確ではないのですが)

分子料理でも頻繁に登場しますが、介護の分野で嚥下食などに使われているので意外と身近な存在でもあります。

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このままだと気泡が目立ちますので、一度加熱して泡を取りのぞきます。真空包装機があればそれでも泡は消えますが、家庭にはないので火にかけます。

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しばらく加熱すると元の透明感が戻りました。

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500ccずつビーカーなどにいれて冷蔵庫で冷やします。片方が冷たい、もう片方が熱い液体になります。

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しっかり冷えました。片方のビーカーの中身はすでにとろとろですが、泡だて器て空気を入れないようにして撹拌して液体状に戻します。

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これは必要がないかもしれませんが晒などで漉すとさらに丁寧です。

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もうひとつのビーカーに入っていたゼリー茶を50度以上、55度前後まで加熱します。これが温かい部分になります。

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さて、いよいよ最初に用意したゴムベラを差し込んだ器に二つの液体を均等に注いでいきます。これは二人いないと難しいですね。一人で作業する場合はゴムベラではなく厚紙を差し込んだほうがいいかも、です。

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ゴムベラを引き抜くと、、、右側が温かく、左側が冷たいお茶の出来上がりです。提供する時はちょうど熱いと冷たいがセンターになるように出してください。ちょっとこぼしてしまったのは一人で作業をしていたので、難しかったのです(すみません!)

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わかりやすいように片方のお茶に色をつけてみました。左側が熱いお茶で、右側が冷たいお茶です。混ざり合っていないことがわかると思います。ちょっと冷たい部分が多いのは注いでいだ量が均等ではなかったからです。一人で撮影もしながらお茶を注ぐのは難しい!(ごめんなさい)

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実際に提供する時はこんな感じ。つくってから3分位で温度が混じってしまうので、なるべく早く召し上がっていただきましょう。暑さと冷たさが口のなかで入り交じる感覚が新鮮です。

こうした驚きを与える料理は言ってしまえば小手先の技術で、一度経験してしまえば、二度目の驚きはもうありません。でも、ちょっとした遊びを料理にとりいれることができます。

ところで、流体ゲルは別に試してみる価値のある調理法です。またの機会にまたご紹介します。それでは。

Text : naoya

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