• キッチン
  • 2015/2/20 05:00:19

辛味調味料「かんずり」を使いこなす

先日、新潟県妙高市を取材で訪れた際、おみやげとして『かんずり』を買い込んできました。(この時の取材の内容は株式会社ダイヤモンド社が運営しているダイヤモンド・オンラインに掲載しています。『アメリカ人も絶賛した日本の辛味調味料「かんずり」はタバスコを超えるか』です)

個人的には子供の頃から冷蔵庫に入っていた調味料ですが、周りの反応は『はじめて見た』というもの。

オススメの調味料なのでこれを機会に食育通信online的な使い方をご紹介します。

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写真は新潟県内などで入手できる『生かんずり』風味が一味違います。

さて、このかんずりは塩漬けにした唐辛子を雪に晒し、辛味を抜いた後、粉砕し、麹、柚子などを混ぜあわせ熟成発酵させたものです。発酵の権威、東京農業大学の小泉武夫先生によると「世界でも珍しい唐辛子の発酵食品」とのこと。たしかに唐辛子の発酵食品は他にタバスコくらいしか思いつきません。小泉先生のお話によると東南アジアには発酵唐辛子はあるものの、麹を入れたものはないそうです。

かんずりの特徴は麹を使っていること。おそらく麹をいれることにより単純に発酵するだけではなく「糖化」という現象も置きていると予想されます。唐辛子に含まれている炭水化物が麹の働きによって糖に変わるのです。

また発酵により保存性が高まり、香り成分や味などもまろやかなものに変わります。唐辛子と塩という発酵のしにくいものを低い温度で発酵するわけですから時間がかかります。発酵期間はなんと三年だそう。そのようにして長い時間をかけ、できあがったかんずりはまさに辛味+旨味の万能調味料。

すでに広く知られているお馴染みの使い方としては

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餃子のたれにつけたり、

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焼き鳥につけたり、というのが定番。覚えておきたいポイントは『脂っぽさを中和してくれる』というもの。これを知っておければ焼き肉やラーメン、または豚の三枚肉を使った煮込み料理などに添えても美味しく食べられるはずです。

さて、かんずりはもちろん薬味以外に料理にも使えます。まず抑えておきたいのは

『発酵食品同士の相性の良さを活かした組み合わせ』

です。

発酵食品同士は相性がいいので、積極的に組み合わせてみましょう。たとえば次のソース。

かんずりソース(醤油ベース)

かんずり 小さじ1

醤油   小さじ1

砂糖   小さじ1

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上記の材料を混ぜ合わせるだけです。とろみのついたいい感じのソースになります。焼いた餅につければ『かんずり餅』に。

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出汁で柔らかくなるまで炊いた大根にかければ『かんずり風呂吹き大根』になります。応用編としては最初に述べた脂質とのバランスをとる性質を活かして

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ステーキにかける、というのもいいでしょう。ステーキ用の牛もも肉を焼き、塩コショウを振ったもの。下は茹でただけの青菜、奥はふかしたじゃがいも(電子レンジで火を通しても)を半分に切って、オイルで焼いたものです。どちらもかんずりソースとよく合います。

醤油ではなく同量の味噌ですと『かんずり味噌ソース』になります。

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妙高市にある豚汁の名店ではかんずりを別途、注文することができます。これが豚肉の脂っぽさをかんずりがうまく中和し、いくらでも食べられる絶品でした。

さて、次の使い方は

『香りを活かすためにオイルと組み合わせる』

というもの。唐辛子に含まれるカプサイシンは水には溶けませんが、油には溶けるという性質があります。

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どういうことか、実際に見てみましょう。かんずりにオリーブオイルを注ぎます。

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しばらく置くとオイルが赤くなりました。これは唐辛子の成分が油脂に溶けたわけです。この香りオイルは様々な使い方ができます。

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例えば塩コショウで揉み込んだイカに小麦粉をまぶして油で揚げて、、、

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マヨネーズ(もしくはヨーグルト)にさきほどつくった辛味オイルを混ぜ込みます。

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出来上がり。『いかのフライ、かんずりマヨネーズ添え』です。かんずりとマヨネーズを混ぜあわせてもおいしいのですが、辛味と香りがマスキングされてしまうので、あまりよく混ぜないのがコツ。最後の提案は

『トマトと唐辛子の相性の良さを活かす』

というもの。トマトと唐辛子は相性が非常によく、お互いの味を引き立てあってくれます。トマトサラダをつくるときのドレッシングにかんずりを少量混ぜたり、次にご紹介するパスタソースに、と展開していきます。

かんずりアラビアータ(二人前)

パスタ 200g

にんにく 1片

オリーブオイル 大さじ1

かんずり 大さじ1

トマトソース (作り方 基本のトマトソース参照) 180g

フライパンにオリーブオイル大さじ1とにんにくのみじん切りを入れて、火にかけます。香りが立ってきたらかんずりを入れます。さきほど唐辛子の成分は油に溶けるというお話をしましたが、投入するタイミングはここです。

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かんずりは焦げやすいので注意してください。混ぜ合わせるようにして加熱してきます。すぐに油が唐辛子色に染まるはずです。同じ要領で麻婆豆腐などをつくるときも最初の段階でかんずりを入れましょう。

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唐辛子の香りが立ってきます。かんずりの色が若干濃くなったのがわかりますか?

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そうしたらトマトソースを入れて、焦げるのを防ぎます。

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今回は別に炒めておいたなすをいれました。パスタのゆで汁を50cc足して、ソースを伸ばすとともに、乳化を促進させます。

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パスタは必ず茹でたて熱々のものを。熱いパスタを熱いソースにいれることによって表面にソースが浸透します。火を止めて、よく和えます。

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器に盛り付けて、パセリのみじんぎりをふりかけて完成です。油っぽさはまったくありません。最初に述べたようにかんずりが油っぽさを中和してくれるのです。このトマトとの相性の良さを考えればピザなどにもあうことがわかりますね。

発酵食品×かんずり

トマト×かんずり

という2つの組み合わせをご紹介しましたが、まだまだ可能性がありそうな調味料です。例えば

クリームチーズ×かんずり

という組み合わせは『発酵食品×かんずり』と香り成分が脂肪に溶けるという性質を利用した組み合わせ。クラッカーにつけて食べると絶品です。

個人的には日本には上質なハリッサ(中近東の唐辛子調味料)が輸入されていないので、クスクスに混ぜたり、メルゲーズソーセージを作るときにつかったり、とかんずりを使っていますがハリッサよりもずっとおいしい。鍋の薬味だけに使うのはもったいない伝統食材ですので、今後も研究を続けたいと思います。

それでは。

Text : naoya

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