• キッチン
  • 2015/1/30 05:00:01

フライパンで魚を焼く〜弱火編〜

先日『フライパンで魚を焼く〜強火編〜』というエントリを上げましたが、魚を強火で焼くのは実のところ難しいです。魚のタンパク質は肉よりも繊細で、50度で収縮をはじめ、60度前後で乾燥がはじまります。また魚種の種類によっても火の通り方は異なります。例えばマグロやメカジキといったよく泳ぐ魚は火の通りが遅く、反対にタラのようなのんびりと泳ぐ魚は火の通りが早いので注意が必要です。この違いはタンパク質の量によるものです。

また、肉は低温で長時間加熱することによって美味しくなりますが、脂質やタンパク質分解酵素を多く含む魚(イワシやニシン)は長時間の加熱には向かない、とされています。もしも長時間、加熱したければ脂質の酸化を防ぐために酸素を遮断した状態(オイルに漬けるなど)にするのがよいようです。オイルサーディンや缶詰の煮魚などは理屈的には正しいんですね。

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実際、フライパンで焼くのなら弱火で焼く方法が失敗しにくいです。さて、今日は身の薄い魚(スズキ)を弱火で焼いていきます。経木で挟んで、氷水のなかで保存しました。ちなみに氷が入っていれば白身魚は二週間以上持つというデータがあります。(もちろんそこまで保存すると味は落ちるようですが)

ラップやビニール袋などで包んでおけば水によって味が薄まる心配もありません。

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弱火で魚を焼くことによるデメリットは香ばしい焦げ目がつかないことです。焼き色がついていない皮は美味しくないので、焼きあがってから剥がすか、焼く前に剥がしてしまいます。

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フライパンにオリーブオイルなどの加熱に強い植物油とバターを大さじ2分の1をいれて弱火にかけます。バターを入れると温度の上昇が穏やかになり(バターには水分が20%ほど含まれているため)、また特有の風味がつきます。

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バターが泡立った状態を維持するよう、料理書にはよく書かれていますが、バターを入れると温度の変化がわかりやすくなります。泡立っている状態はおよそ100度、泡立ちが収まり色づく一歩手前の状態が120度前後です。

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弱火で焼き続けています。縁が色づきはじめましたが、バターの泡立ちが収まりつつあったので、バターを大さじ2分の1足しました。冷たいバターを投入することで油の温度を下げ、加熱を穏やかにすることができます。

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スプーンで油をかけながら加熱していきます。油をかけるのは身の厚い部分です。この工程で火の通りをなるべく均一にする狙いがあります。火加減はあくまで弱火を保つため、必要とあれば火から外すのも結構です。

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かなり温まってきました。最初に説明した加熱温度を思い出してください。感覚的な表現になりますが熱い風呂でも魚には火が通ってしまいます。表面の状態、弾力などを確かめつつ、火加減を確かめていきましょう。

目安としては身の側面が膨らんできたら、裏返すタイミングです。

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裏返したらさらに火加減には注意しましょう。強火編でも説明しましたが、魚は温度の上昇が早いので、裏返したらすぐに火が通ってしまいます。

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ここまでで3分〜4分ほどです。フライパンから引き上げて温かいバットなどに移して脂を切ります。

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理想は身には透明感が残り、しっとりとしていること。

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大事なことは切った断面の血管に赤色が残っていることです。火が通り過ぎると血管が灰色になってしまいます。こうして焼きあがった魚はしっとりとした食感です。

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トマトを入れた柚子バターソースにごま塩などを振ってみました。付け合せは菜の花です。

今日のまとめとしては『身の厚い魚は強火でパリっと、薄い魚は弱火で焼くと失敗が少ない』といったところ。魚の焼き具合は説明が難しく、とにかく慣れて理想の状態をつかむしかありません。とにかく焼いて食べる、という繰り返しですね。

Text : naoya

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