• キッチン
  • 2015/1/26 05:00:15

ブールブランソースの作り方

ブールブランソースは白いバターソースという意味。魚料理にあわせるのが定番ですが、野菜料理にもあいます。フランス料理のソースといえばルー(小麦粉とバターを炒めあわせたもの)でとろみをつけたものが一般的だった時代を経て、新しい時代のソースとして脚光を集めました。かつて日本には良質のバターがなかったので、その時代『幻のソース』と呼ばれていたこともあったそうです。たしかにバターがたくさん入るソースなので、エシレなどのいい発酵バターをつかうと美味しく仕上がります。

ここで学ぶべきは乳化の原理です。ブールブランソースは水の中に油が分散している水中油滴型(O/W型)の状態ですので、原理的にはマヨネーズと同じ。(参考 失敗しないマヨネーズの作り方! | 食育通信 online)そのあたりを頭に入れておいていただき、材料のご紹介です。

ブールブランソース

エシャロット 小さめ1個/ 45g

白ワインビネガー(今回はシャンパンビネガーを使用) 125cc

野菜のブイヨン 125cc

バター     100g

塩、胡椒

ブールブランソースにはブイヨンを入れないレシピもありますが、今回はビネガーの酸味とのバランスをとるために野菜のブイヨンを入れています。野菜のブイヨンはキッチンに常備しておきたいスープストックの一つです。

野菜のブイヨン

玉ねぎ  250g

人参            250g

セロリ        125g

水    1.5L

白胡椒  4粒

 

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材料表を見ると、野菜のブイヨンはいわゆる香味野菜(ミルポワ)で構成されていることがわかります。つまりこの野菜のブイヨンに魚の骨を入れれば魚のストックに、鶏肉を入れればチキンストック、牛肉を入れればビーフストックになるというわけです。ちなみに野菜のブイヨンにワインビネガーを入たものは、クールブイヨンと呼ばれ、魚介類を茹でる際に使います。

作り方は簡単。材料をすべて薄切りにして、ことこと煮こむだけです。薄切りの方が加熱時間が短くすみます。

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と書いたところですが、今回は野菜の出し殻をサラダに流用するために大きめにカットしています。そのため煮込み時間を少々、長くとりました。ちなみに薄切りの出し殻にはジャガイモとオイルを足してスープにしたり、味噌汁に仕立ててしまうという利用法があります。

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沸騰したら弱火に落として、

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30分経ちました。薄切りにすれば20分で十分です。火を止めて蓋をします。

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冷めてから漉せば、野菜のブイヨンの完成です。

さて、ソースのベースにはエシャロットを使います。

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これがエシャロットです。入手が難しかった時代は長ネギとにんにくを混ぜたり、玉ねぎにニンニクを混ぜたりして代用していたようです。

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皮を剥いてから半分に切ります。

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要領は玉ねぎのみじん切りと同じです。切込みを入れてから

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カットしていきます。この時、エシャロットの繊維が潰れないように注意。包丁を前後に動かすようにして、いつもより丁寧に刻みましょう。細胞が潰れてしまうと苦味やエグミの原因になります。

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今回はちょっとリッチにシャンパンビネガーを使いました。白ワインビネガーで、もちろんOKです。

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ワインビネガーとエシャロットを鍋に入れて、沸かします。この時、アルミ鍋は避けたほうが無難です。ビネガーの酸で鍋が変色してしまいますから。

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野菜のブイヨンも足して、一緒に煮詰めていきます。火加減は強火で煮詰めると酸味の効いたキレのある味に。弱火で煮詰めると若干、甘みのある味になります。また野菜のブイヨンを加えるタイミングでも酸味は調節できます。十分に酢を煮詰めてからブイヨンを足せば酸味が弱くなり、逆に強くしたければ早めにブイヨンを足せばいいのです。

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酸味のきかせ方は料理の仕上がりのイメージにあわせますが、このへんは好みです。

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漉します。60ccの液体がとれるのが目安です。多ければさらに煮詰め、少なければ水で調整しましょう。このブールブランソース。他の作り方としては

『水分がほとんどなくなるまで煮詰め(secという状態になるまで)生クリームを加える。バターでモンテしたあと、漉す』

というのがあります。アメリカの調理師学校CIAでもそのように教えているようです。生クリームをいれるメリットは酸味が抑えられるだけではなく、クリームはすでに水分の中に脂肪が拡散している乳化状態ですので、バターを入れてからの乳化が容易になることが挙げられます。ただし、デメリットとしては味が重くなることとクリームによって香りがマスキングされてしまうことなどがあります。

いずれにせよポイントとなるのは水分です。『乳化に必要なのは乳化剤と水分』だということを思い出してください。作り方はいくつもありますが、仕上がりの状態をイメージして、そのために必要なプロセスを考えましょう。

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100gのバターです。角切りにして冷蔵庫で冷やしておきます。なぜ冷やしておくのでしょうか? それはゆっくり溶けるようにすることで、油脂を少しずつ馴染ませるため。冒頭にマヨネーズの話をしましたが、マヨネーズづくりにおいて油脂を少しずつ加えていく理由と同じです。時々、常温に戻したバターを薦める人がいますが、その場合の乳化作業は火を止めて行うとよいでしょう。

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液体を弱火にかけたところにバターを足して、泡だて器で撹拌していきます。バターは何度かに分けて加えていきます。

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だいぶつながってきました。ところでこの工程は火を止めておこなうよう薦めている料理書が多いですが、その理由はなんでしょうか? 強火で加熱し続けると水分が蒸発し、ソースが分離する原因になります。マヨネーズづくりを思い出してください。マヨネーズは水分さえ足し続ければ1個の卵黄で10カップ以上の油を乳化させることができるのです。

ブールブランソースも同じこと、だいじなことは水分の割合です。このソースは温め直すことができない、と書いてあるレシピ本もありますが、実際には水分を足し、充分に撹拌すれば再加熱も可能です。

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容器に入れて冷蔵庫で冷やすと、下に水分、上に油脂分が固まります。このとき水分の量が三割に満たなければ水を足し、泡だて器やハンドミキサーで撹拌しながら再加熱します。ちゃんと油脂分は再び乳化します。

また、撹拌の道具によっても仕上がりが異なります。バターを揺する方法は油滴の粒子が大きく、泡だて器は小さくなります。つまりソースの濃度の加減は鍋を揺する<泡だて器<ハンドミキサーという順番になります。仕上がりと完成のイメージによって使い分けましょう。

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中央には鰆(参考 フライパンで魚を焼く〜強火編〜)ブールブランソースは野菜との相性も良いので、まわりに茹で野菜、ブロッコリーや里芋、モロッコインゲンなどを配置しました。軽いランチなどにいかがでしょうか。

Text : naoya

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