• キッチン
  • 2014/12/22 05:00:24

ジュとフォンの違い〜豚肉にかけるソースをつくる〜

『低温で24時間加熱すると豚の肩ロースも柔らかくできます』という記事で豚肩ロース肉に火を通しました。さて、そこにかけるソースはなににしましょうか。普通にローストすると焼き汁が得られますが、低温長時間加熱だとそれができません。その弱点を補うために、今日は豚のジュをつくってみましょう。

さて、ジュという言葉はここ数十年、メニューなどで見かける頻度が高くなりました。Jusとは英語でジュース(肉汁)のこと。たくさんの水分とある程度の時間をかけて煮出すフォンとは違い、ジュは素材が隠れる程度の少量の水分を加え、短時間で煮出すのが特徴です。

通常、ジュは肉の切り落としや余った骨、焼き汁などからとりますが、先日紹介した24時間加熱した豚の肩ロースなど真空調理法を採用した場合はこの焼き汁が得られません。そこで登場するのがレストランではまず使われてこなかった「ひき肉」です。

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ひき肉を使うメリットは

  1. 価格が安い
  2. 硬い肉の部位がひき肉に回されることが多いため味が濃い
  3. 小さくカットされているので、短時間で味が抽出できる

といったことが挙げられます。4人前のソースをつくるのに180gの豚ひき肉が必要です。

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肉のジュに旨味を補うためにミルポワ(香味野菜)を加えます。目安は肉の重量の75%、玉ねぎが2に対して、セロリが1、人参が1です。今回はセロリがなかったので入れていませんが、逆に絶対に必要なのが玉ねぎです。

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フライパンに肉を入れて中火で加熱していきます。はじめは広げるようにして、あまりいじらないことが肝要。これはこげ色を均一につけるために必要な作業です。

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こげ色がついてきたらバタバラにほぐしていきます。火を少し弱めて、さらに焦げ目をつけていきましょう。

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ミルポワを投入してさらに炒めます。加熱時間は30分ほどかかると思います。ここでミルポワと肉を充分に炒め、カラメリゼしておくことでソースの仕上がりに色とコクを与えることができます。

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酸味と風味を与えるために白ワインを100cc入れて、強火で沸かし水分がほとんどなくなるくらいまでしっかり煮詰めます。牛肉などの赤い肉をつかうときは赤ワインという手もあります。そのあたりはおこのみで。

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水を500cc入れます。

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沸騰したらアクをとります。アクと脂を丁寧にとりのぞくことで、仕上がりに透明感が出ます。弱火に落として、30分間旨味を抽出します。より完璧な仕上がりを追求するなら圧力鍋を使ったほうがいいでしょう。沸点が120度近くなることで組織が緩み、効率よく旨味を抽出することができます。また密封されるため風味が飛びにくいからです。

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できあがったジュを漉します。

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仕上がったジュは透明感のある仕上がりです。さて、ソースにするならここでなんらかの方法でリエ(とろみをつけること)しなければいけません。バターモンテ(バターを入れて乳化させる)だけをしてもいいですし、コーンスターチなどでとろみをつける方法もあります。

古典的なリエには小麦粉とバターで濃度をつけますが、コーンスターチとの違いを知っておきましょう。小麦粉にはタンパク質が含まれているので透明になりませんがしっかりとしたとろみがつき濃厚な仕上がりが期待できます。反対にコーンスターチにはタンパク質が除かれているため、透明感のある仕上がりになりとろみも緩いので、軽い仕上がりになります。

このジュはフォンと違って骨が入ってないのでゼラチン分が少ないのが特徴です。そのため旨味は濃いのですが、あっさりとしています。もしも、もっとコクが欲しければ板ゼラチンを一枚足しましょう。ゼラチンの原料は豚の皮や骨、ゼラチンを加えれば仕上がりは同じです。

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今回は米を煮たおかゆをスプーン一杯ほど加えて煮ました。米のデンプン粒氏は澱粉のなかで一番細かく、エレガントなとろみがつきます。重湯にして加えたほうがいいのですが、今日は米が入っていることがわかるように粒を残しました。バターを使わず肉の味を活かしました。とろみをつけるための材料は葛など他にたくさんの種類があります。それぞれ風味や仕上がりが異なりますので、色々と試してみるのもいいでしょう。

余談ですがソースを煮るときに鍋肌についた水滴はこまめに拭きとるようにしましょう。焦げ味がソースに混入する原因になります。

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24時間、加熱した豚肉の下は炒めたほうれん草。横に添えたのは焼いたカブと茹で人参。アクセントにレモンのピュレと黒胡椒を添えました。柔らかく仕上げた豚肉に旨味の濃いジュがかかると豊かな味になります。

Text : naoya

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