• キッチン
  • 2014/11/3 05:00:18

基本のトマトソースの作り方〜プロはなにが違う?〜

南イタリア料理の基本はトマトソース。コロンブスによって新大陸から持ち込まれたトマトははじめは観賞用でしたが、やがてヨーロッパ人をとりこにしました。

トマトソースは家庭でもよくつくられていますが『お店とちょっと違う……』と思われる方も多いのではないでしょうか。今日はトマトソースの作り方をご紹介します。

さて、トマトソースの基本となる材料は

  • ホールトマト
  • 香味野菜(玉ねぎ)
  • オリーブオイル
  • (ハーブ)

といったところです。プロとアマチュアではなにが違うか、検討してみましょう。

ホールトマトは市販品ですので、お店と品質は変わりありません。よく言われるのはお店のものと比べて『コクがない』と『油っぽい』といったもの。

その原因は『香味野菜の量』と『オリーブオイルの量』にあります。

コクが出ないからといって『香味野菜の量』を増やすのは考えもの。

プロは通常、2.5キロの缶詰でソースを仕込みます。大きい缶詰のほうが割安だからですが、それにたいして玉ねぎの量はせいぜい1個が一般的です。なかには玉ねぎをいれずに、ニンニクだけのお店もあります。(反対ににんにくなしで玉ねぎだけのお店もあります)プロは一度つくったトマトソースをベースにさまざまな料理を派生的につくっていくため、汎用性の高い味が求められるからです。多すぎる香味野菜の量は時に油っぽい味の原因になります。

もうひとつの『コクがない』原因は『オリーブオイルの量』です。プロはオリーブオイルを多めに使い、ソースをつくっていきます。クックパッドなどのレシピをみても多くの家庭ではオイルの量がやや少ないようです。

詳しいことはつくりながら、お話します。それでは材料です。

『基本のトマトソース』

ホールトマト缶 2缶

玉ねぎ(小さめ) 4分の1(大きめの玉ねぎなら8分の1)

にんにく    1片

オレガノ    小さじ1

オリーブオイル 大さじ6

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缶詰はカットトマトではなく『ホールトマト』を使ってください。ホールトマトに使われているトマトの品種はソースに適した細長いサンマルツァーノ種かあるいはその仲間であることが多いからです。

たまねぎとにんにくをみじんぎりにします。なるべく細かくしましょう。

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にんにくのみじんぎりをするときは紙を敷くとまな板に匂いが移りません。

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オリーブオイルがこんなに入ります。油っこくなるのでは? と思われるかもしれませんが、そうならないにはちゃんとした理由があります。

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にんにくのみじんぎり、たまねぎのみじんぎりとオリーブオイルを加え、弱火にかけます。ぱちぱちと泡立ってきます。

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たまねぎがうっすらと色づいてきました。ここで一端、火を止めます。

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ホールトマト缶を投入します。皮が残っていればとりのぞいてもいいですが、それは煮込んだ後がいいでしょう。煮えれば柔らかくなるので今、潰す必要はありません。缶詰を入れたら、中火にかけます。

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オレガノを小さじ1加えました。加えるドライハーブはバジルでもかまいませんが、家庭で一つ、ドライハーブを常備するとしたらオレガノがお勧めです。その理由は魚や肉などなにでもあわせやすく、また乾燥することで香りが出てくるハーブだからです。バジルはフレッシュのほうが香りがいいので、乾燥品を買うのならフレッシュを買いましょう。

煮立ってきたら弱火に落として最低15分間煮ます。長時間煮ると酸味が弱くなりますので、酸っぱいのが苦手な方はもう少し長めに煮てもOKです。

ところで酸っぱいからといって長時間煮込めば酸味はなくなるのでしょうか? トマトの主な酸味成分はクエン酸。クエン酸は割合熱に強い酸ですので、なくなりません。酸っぱいのが嫌いな方は玉ねぎの量を徐々に増やしてみるといいでしょう。

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ここで技をひとつ。トマトソースは煮込んでいる間、結構はねて台所を汚します。ふたをしめれば防げますが、水分がうまく蒸発しません。そこで手ざるのようなものがあれば覆ってしまいましょう。台所が汚れるのを防ぐことができます。

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15分、経ちました。すっかり煮えています。

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泡だて器でトマトを潰します。煮えているので、すぐに崩れるはずです。

『トマトを潰してから煮る』レシピもありますが、後からのほうが潰しやすい上、酸味が残りやすいのでお勧めです。また『種をとりのぞく』というレシピもありますが、分子料理学的には種は残してください。トマトに含まれる旨味成分は種のまわりが最も多いので、わざわざおいしい部分を捨ててしまうことになります。

種が重要なのはもうひとつ理由があります。

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できあがったトマトソースにオイルが浮いていないことがわかると思います。これはオイルが乳化している証拠。その乳化に関係しているのが種のまわりに含まれるペクチン。ペクチンは優秀な乳化剤なので、種をとりのぞいてしまうと油っぽい原因になるのです。また皮にもペクチンは含まれています。

酸味がやや強めなので味見をしてもう少し丸いほうがいいな、と思えばあと10分煮てみてください。酸味は落ち着きます。

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さて、塩、こしょうで味を整えましょう。安定して味付けするのは計量するのが一番です。

今回、できあがったソースの重量は680gでした。その0.8%の重量の塩を加えます。

(680÷100)×0.8=5.44ですので、5.4gの塩で味付けをしました。5gでも大丈夫です。

できあがったトマトソースは様々な料理に使えます。酸味が強めなので、ほんの少量の砂糖を加えても結構です。

今日はパスタにしてみましょう。

トマトソース 200g

乾燥パスタ  160g

バター    小さじ2

胡椒 バジル

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鍋に分量のトマトソースを入れて、火にかけます。

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バターでトマトソースにまろやかさを加えます。北イタリア料理的な手法です。もちろんオリーブオイルでも結構です。

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1%の塩分濃度のお湯で袋の表示時間とおりに茹でたパスタを加えます。このときソースは熱くしておくのがポイントです。熱いパスタに熱いソースを加える事で、パスタの表面にソースが浸透し、はじめて一体化します。パスタが冷めてしまうと、味がなかまで入りません。

火を止めて軽く和えます。この時にゆで汁を30ccほど加えましょう。ソースをきちんと沸かしておけば、激しく揺する必要はまったくありません。肝心の油脂分はすぐに乳化してくれます。パスタから融けだした小麦粉のたんぱく質も乳化剤になる、と言われています。

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バジルを添えてできあがりです。パスタの茹で湯の塩分濃度とソースの塩分で味付けする必要はありません。おこのみでパルメジャーノチーズを添えてどうぞ。

Text : naoya

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