• キッチン
  • 2014/5/19 05:00:14

シンプルなチキンブイヨンを自分でつくってみよう

チキンブイヨンは何にでも使える汎用的な出汁です。

伝統的なブイヨンは二時間、三時間と充分な時間をかけて、骨や肉から味を引き出します。ラーメン屋さんがスープに命をかけているように、たしかに時間のかかる作業なので、家庭ではどうしてもブイヨンキューブなどのインスタントに頼ってしまいがちなのが現状です。

しかし、一度でも自分で出汁をとる経験をすれば、もうインスタントには戻れなくなることは請け合い。今回は『モダニストキュイジーヌ(現代的料理法)』を応用したチキンブイヨンのとり方をお教えします。このストックは以前に紹介したブラウンストックとは違い、材料を焼かないでつくるので、ブロンドストックと呼ばれています。香ばしさがないのでより汎用的な出汁です。

とても簡単なので、是非、試してみてください。

チキンブイヨン

鶏肉(どの部位でも骨と肉をあわせて) 1kg

たまねぎ  300g(大一個)

にんじん  200g(一本)

ローリエ  一枚

タイム(あれば) 1枝

昆布(あれば)   少々

水     1.5L

材料はとてもシンプルです。肉はどの部位でもかまいませんが、味は肉から多く出ますので、できたら鳥がらだけではなく、手羽元や手羽先など肉がついている部位も半分程度混ぜてください。もちろん鶏ガラのみでも充分に美味しくできます。匂いがあれば軽く水洗いしてください。

たまねぎは四分の一程度に切り、にんじんは適当な大きさにカットします。そして、登場するのが圧力鍋です。そこにすべてを放り込みます。

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伝統的な方法では、圧力鍋は使いません。むしろ、これまでの考え方では『使ってはいけない』とされてきました。圧力鍋は名前の通り、加熱により圧力がかかります。水の沸点は圧力が高くなるにつれて上昇するため、鍋の種類などによって違いはありますが120℃から128℃程度の温度で加熱することができます。

スープにおける加熱にはふたつの目的があります。ひとつは肉や野菜の細胞を壊し、芳香化合物を引き出し、液体に旨味をうつすこと。もう一つはコラーゲンを溶解させ、液体にコクを与えることです。この二つの反応は温度が高ければ高いほど進みます。圧力鍋を使えば効率よく味を引き出せるのです。

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これまでの調理理論では出汁をとるときには沸騰させてはいけない、と考えられてきました。しかし、FoodLabというウェブサイトがおこなった実験結果から、それは必ずしも正しくない、ということが導き出されます。

左が一般的なとりかた、真ん中がスロークッカーという調理器具を使ったもの、そして右側が圧力鍋を使ったものです。圧力鍋を使ったものが、もっとも色が濃く芳香化合物が抽出され、メイラード反応も進んでいることがわかります。これまでの『沸騰させない』という考え方であるスロークッカーを使ったものは風味が引き出されていないようです。

さて、ブイヨンづくりに戻りましょう。

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加熱時間は四十五分です。水分がたくさん入っているので、焦げる心配はありません。通常なら時間のかかるスープ作りがわずか四十五分でできるため、経済的です。

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時間がきたら圧力が下がるのを待ち、蓋をあけて漉します。

できました。

できました。

出来上がったスープが澄んでいたら上出来です。塩で味をつけるだけでも、美味しく食べられます。注意点はただひとつ。野菜を小さく切らないことです。これは野菜が高圧によって煮崩れ、スープが濁る原因となるからです。

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一晩、冷蔵庫で冷やすと脂分が固まります。

スプーンや網などで取り除きましょう。

スプーンや網などで取り除きましょう。

取り出した脂は加熱し、水分を飛ばすことで、鶏脂として中華料理などの風味付けに使うことができます。圧力鍋は肉を柔らかくするための下拵えくらいにしか使われていませんが、もっと使ってほしい調理器具の一つです。

 

 

Text : naoya

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