• キッチン
  • 2013/9/13 05:00:01

ジャム研。おいしい花をいただきましょう

「ペクチンと糖と酸がそろえば、どんなものでもジャムになるのか?」をテーマにいろいろなものでジャムを作ろうという企画。今回は花にチャレンジ。

ここ数年、レストランの料理に花がちりばめられることが出てきました。エディブルフラワー(食べられる花)もスーパーでみかけるようになって、家庭のテーブルでも使われる機会が増えてきたのかもしれません。ということで花でジャムづくりをしようということになりました。

花は何を選ぶかということですが、バラはもう食べたことがあるという人がちらほらいますし、イメージとしても華やかで美しいです。そうとなればもっと地味で和の花のほうが良いんじゃないかということになりまして選ばれたのは菊。

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食用菊とWikipediaで調べてみると概要としては、

菊そのものは、古代より中国で延命長寿の花として菊茶菊花酒漢方薬として飲まれていた。その中でも食用菊は、苦味が少なく花弁を大きく品種改良された種[1]奈良時代に、日本で現在でも食用菊として栽培されている「延命楽(もってのほか・カキノモト)」が中国から伝来した[2]平安中期927年に行われた延喜式の典薬寮の中に「黄菊花」の名が示されている[3]。食用としては、江戸時代から民間で食されるようになったとされており[4]1695年に記された『本朝食鑑』に「甘菊」の記述が見られる[5]。また、松尾芭蕉は、菊を好んで食したらしく、1690年(元禄3年)晩秋に近江堅田で句に詠んでいる[5]
(via Wikipedia:食用菊:概要)

ということで、歴史も古く、また入手もしやすい食用菊をつかってジャムを作ってみようということで話しがまとまりました。

前回のミントジャムづくりで、美しい緑色のミントが真っ黒く豹変する様子を目の当たりにしたジャム研メンバーとしては、菊に対しても注意を怠りません。というかトラウマみたいになっています。そこで菊の花も、まずはブランチング(加熱による酵素の不活性化)を施してからにしようということになりました。

まずは到着した菊の花を花びらだけにほぐしていきます。

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ほぐす感触がホロホロして楽しかった

鍋に湯をわかして、大ボウルに山盛りになった花びらを投入します。

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花びらがなかなか沈まなくて大変でした

1分間茹でて、花びらの中の酵素を不活性化します。何故1分なのかとリーダーにたずねると、

「酵素も所詮は卵と同じたんぱく質。卵が凝固する程度の時間で不活性化は十分」

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むしろ余分な加熱は味をそこねる危険性があるので、時間になったらさっさと手つきざるですくいあげていきます。

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そして水洗いして余熱をとりのぞいていきます。

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しばし笊の上で余分な水分を落としたら、鍋へ。もはや花らしい姿は残っていません。なんだかカボチャの黄色に近いですね。

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ここでジャム研リーダーから、

「菊花はもともと糖度が高いということもなければ、砂糖をまぶしても(ミントと同じように)水分が出ることは期待できないので水を補給しつつ

砂糖によって強制的に糖度を65%にしてジャム化させる」

という方針が発表されました。たしかに菊の花にペクチンが相応にそなわっているなら、砂糖で一気に糖度を65%に近づけて、レモンでPhを調整してゲル化させたほうが確実ですね。

さっそく砂糖を投入します。

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よくまぜて、

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さらに水を足していきます。砂糖がまんべんなく行き渡るようにするため、これを何度かくりかえして行っていきます。ちなみにこの間、とくにおいしそうな香りとかは一切していません。菊って奥ゆかしいなあ。

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火にかけて煮ていきます。液状/固さのバランスを見て加減が必要のようです。下の写真はまだ花びらもやわらかくありません。

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砂糖を加えてさらに煮詰めていきます。

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煮始めのころはミントと同様にクタクタには絶対にならないのかも……と思ったのですが、全体に一体感がうまれはじめてきました。この頃から鍋から菊の花の香りが立ち上がってきました。バラのような華やかさはないですが、控えめで気品のある香り。

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十分なドロドロ感になってきました。コップテストでペクチンがしっかり出ているかチェック。粒状感をもたせてゆっくり水に溶けているところからして、もう十分でしょう。

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あまり煮すぎてもペクチンが壊れるので、レモンを加えて混ぜ合わせます。このときに色が変色しないかリーダーがやや心配していましたが、結果はオッケー。

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菊の花を忘れてしまいそうなゲル感が出ています。ボウルにあけます。

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そして熱いうちに瓶につめてホットパック!

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フタをしたら逆さまにして、15分以上おいておきます。このとき85℃以上であることが条件。

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菊の花のジャム完成!美しい。

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余ったジャムが少しさめると、よりしっかりとしたゲル感が出ていました。

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食べてみると、上質なハチミツのようです。花の香りを濃縮して甘く仕上げるとハチミツのようになるのだと、この段階になってようやく気づいてしまいました。花の蜜を集めたのがハチミツなんだから、そりゃそうか。

菊花ジャムは、ハチミツのようで、くどさはまったくなく気品あふれる花の香りが口の中に広がります。色もくすまずにとても美しい仕上がり。

もうひとつ菊花ジャムの特徴はテクスチャー。果物とも野菜とも違う独自の口触りです。口に入るとトロリとしたジャムが口でほどけて、小さく、うすく、はかなげな花びらが広がります。でもそれはすぐに口溶けずに柔らかく口の中に残ります。そして不快になる手前でほどよく飲み込まれてしまいます。

さて今回の材料は糖度を見ながら水と砂糖を調整するという方法だったので結果として、

菊花500g、水300g、グラニュー糖725g、レモン果汁35g

となりました。と、ここでリーダーがもう一種類、別の菊の花でやらないかと言い出しました。

「もって菊でやろうよ!」

……ということで、続きます。「もって菊って?」

 

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Text : motokiyo

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