• キッチン
  • 2013/8/12 05:00:08

プリンの味は器で決まる 〜21世紀料理教室 その7〜

先週、ご紹介した電子レンジでつくるカラメルソースを使って、プリンを作ってみるとすると、とりあえずレシピを検索しますよね。どのレシピも基本的な作り方は同じです。ところが、配合や加熱方法はそれぞれ少しずつ違います。

となると当然、ここで浮かぶ一つの疑問。

「これらのレシピの違いは、どういう結果を生むのだろう?」

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Q プリンのレシピには全卵を使っているものと、卵黄、卵白をそれぞれ使っているものがあります。どういう違いがありますか?

A  一般的に卵黄を多く配合すると濃厚な味になります。また、卵黄と卵白では固まり方が違うため、食感が異なります。卵黄が多い方が軟らかくまったりとした味に、卵白が多いと硬くさっぱりとした味になります。
また、牛乳の一部を生クリームに変えれば、同じ固さを出すために必要な卵の量は少なくなります。これは生クリームに含まれる水分が牛乳に比べて20〜40%ほど少ないためです。ちなみに砂糖の量を増やすとやわらかくなり、減らすと固くなります。これは砂糖にタンパク質の凝固を遅らせる作用があるためです。

どちらの配合がよいのか、それは個人の好みです。

 

Q 昔ながらの蒸し器をつかう方法と、オーブンで湯煎にする方法、どちらがいいのですか?

A おすすめは断然、オーブンによる湯煎です。その理由は温度管理が容易だからです。
プリンを作るとき、蒸し器と湯煎でオーブンに入れて加熱したものを比較した実験があるそうです。それによると六分後に強火の蒸し器では中心温度が20℃上昇したのに対し、オーブンでは9℃しか上がらない、とのこと。
ゆっくり加熱する、というのはプリン作りの鉄則の一つ。マギーキッチンサイエンスから引用すると

加熱温度は低い方が安全域は広い。つまりちょうどよく仕上がったと思ってから、硬くなってスが入ったりする前に、時間的な余裕がある、ということである。

というわけです。

「手元のレシピ本によると湯煎にかけて温度180℃のオーブンに入れるように、とありました。だとするとカップから飛び出している部分は180℃で加熱することにはなりませんか?」

たしかにそう考えたくもなります。その疑問の答えを同じくマギーキッチンサイエンスから引用しましょう。

オーブンで焼くときには水を張っておくと、加熱を穏やかにすることができる。たとえばオーブンの庫内温度が180℃だったとしても、水は100℃になると蒸発するだけでそれ以上の温度には上がらない。あまり知られていないが水を入れる容器のふたのあるなしによって温度は20℃近くも変わる。水はオーブンの熱で温まると同時に、表面からの蒸発によって冷却される。したがって、容器を通して水が加熱されるのと水面で失われる気化熱とのバランスによって実際の水温が決まる。

マギーさんによると、水温は

鋳鉄製の容器に張った水は90℃ほど
ガラス製の容器では85℃前後
ステンレス製は80℃前後

とのこと。

また、蓋をすると蒸発が妨げられ、気化熱が奪われるため蒸し器のなかと同じような状態になり水温は100℃になります。これではプリンにスが入ってしまうので、アルミホイルなどで蓋をするのは絶対にやめましょう。

さて、ここでのポイントをまとめます。

湯煎の水温は容器によって異なります。昔ながらのしっかりとしたプリンをつくりたい場合は鋳鉄製かガラス製の容器を、滑らかで軟らかいプリンを作りたい場合はステンレス製のバットを使うといいでしょう。

 

アルミカップとガラスの容器の組み合わせは昔ながらのプリンをつくるのに適しています。

アルミカップとガラスの容器の組み合わせは昔ながらのプリンをつくるのに適しています。

Q プリンカップ(お手持ちのもの)とレシピにありました。持ってないので新しく買おうかと思うのですが、どんなものがいいですか?

さきほどは湯煎にかける容器の話をしましたが、プリンカップの材質によっても味は異なります。器の熱伝導率が影響するからです。
アルミ製のカップは熱伝導率がよいため、昔ながらの固めのプリンをつくるのに適しています。一方、陶器製のカップは熱伝導率が悪いため穏やかに加熱することができ、滑らかで軟らかいプリンをつくるのに適しています。

同じ配合でもプリンの味は器によっても、また湯煎にかける容器によっても変わるのです。様々なレシピを試してみて、お好みのプリンを探してみましょう。

陶器の器とステンレスのバット(もしくは陶器のオーブントレイ)の組み合わせは柔らかいプリンに適しています。

陶器の器とステンレスのバット(もしくは陶器のオーブントレイ)の組み合わせだとプリンは滑らかに。

 

それにしても最近のプリンって、みんな柔らかすぎると思いませんか?

 

参考 マギーキッチンサイエンス

Text : naoya

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