• キッチン
  • 2013/8/5 05:00:22

電子レンジでつくるカラメルソース 〜21世紀料理教室 その6〜

これだけ科学が進歩していても、いまだ解明されていないことが、身近な現象のなかにもあります。

その一つが今日のテーマ「カラメル」です。

カラメルは濃い褐色、独特の甘くて香ばしい匂いと、弱い苦みがあります。主に洋菓子──プリンのあのソースです──やコーラのような飲料のフレーバーとして利用されています。これだけ身近にあふれていても、カラメル化がどうようなメカニズムで起こるのか、まだ謎の部分が多いのです。(ご興味のある方はHarold McGeeのブログ『curious cook』の記事『Caramelization: new science, new possibilities』が参考になります)

どのようなメカニズムで起こっているか、に関わらず、カラメル反応について理解を深めることはお菓子作りがうまくなることへの第一歩です。

カラメル化は糖類の分解の結果として生じる現象です。例えば純粋なショ糖(グラニュー糖に含まれる糖類)は160℃から204℃の温度範囲内でカラメル化し、177℃以上で明確なカラメルになるとされています。また、そのおいしさの範囲は180℃から188℃が良い、と言われています。

 

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どうしてカラメル化を知ることがお菓子作りが上達第一歩なのか。その例を挙げてみましょう。

あなたはクッキーを焼くところです。いくつかのレシピを読みましたが、オーブンの温度の指定がバラバラです。ある本には190℃のオーブンで焼け、と書いてあり、また別の本では170℃で焼け、と書いてあります。一体、どういう違いがあるのでしょう?

オーブンの設定温度はクッキーの仕上がりの状態に関係します。さきほどご説明した通り、カラメルは177℃以上で明確に色がつきはじめます。つまり高温で焼いたクッキーは香ばしい焼き色がつき、低い温度で焼いたクッキーは軽い焼き上がりになる、ということです。どちらがいい、というのではなくて、個人の好みの問題ですね。

またカラメル化がはじまる温度は砂糖の種類によっても異なります。

キャラメル化の温度
糖の種類 温度
果糖 110° C
ガラクトース 160° C
ブドウ糖 160° C
マルトース 180° C
蔗糖 160° C
(wikipedeia “キャラメル化“より引用)

つまり、このクッキーはあまり長い時間焼きたくはないが、濃い焼き色をつけたいなぁ、と思ったら、蜂蜜を足せばいいのです。(蜂蜜の主成分は果糖(重量比で〜40%)だからです)

また飴細工をつくるときに水あめを混ぜるのは、その主成分がガラクトース(麦芽糖)だからです。ガラクトースはカラメル化の温度が高いため、飴に余分な色をつけることがないのです。

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最後に。

カラメル化は精製度が低い砂糖のほうが低温で起こります。ですからクレームブリュレをつくるときに表面に振りかける砂糖は昔からカソナード(赤砂糖)なのです。カソナードであればカスタードに火が入る前に、表面をキャラメリゼすることができます。料理人たちは砂糖の違いによるカラメル化の差を経験則的に知っているのです。

では、レシピのご紹介です。

〈 電子レンジでつくるカラメルソース〉

america’s test kitchen」で紹介されている電子レンジを使ったカラメルソースの作り方を参考にしました。

記事中ではコーンシロップとレモン汁を使っています。これらの材料は砂糖の結晶化を防ぐために加えるもので、ショ糖の融点以下でシロップをつくる際には有効ですが、きつね色のカラメルソースを融点よりも高い温度でつくる場合、とくに必要というわけではありません。

材料

砂糖(グラニュー糖でも上白糖でも) 2分の1カップ
水                 大さじ1

1 ボウルに砂糖、水を入れ、よく混ぜ合わせる。
2 カラメル色に色づくまで、電子レンジ強(600w)にかける。

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二分三十秒かけたのがこの状態

th_after230min

さらに一分

th_more1min

かなり色づいてきました。もう三十秒かけてみましょう。色がつきはじめてからの反応は早いのでやや慎重に。

th_more30sec

はい、これぐらいでいいでしょう。お好みもありますが、この色で温度は178℃でした。もうほんの少し、レンジにかけてもいいのかもしれませんね。

少し冷めてから、プリンカップなどに流します。この状態では完全に冷めると飴のようにかなり硬くなるので、ソースとして使う場合は、まだ温かいうちに鍋に移し、少量のお湯を加えて加熱してから使います。このやり方の方が鍋でつくるときのように熱いカラメルに水を加えるわけではないので、はねる心配がなく安全です。

さらに、電子レンジでつくると鍋とは違い、余熱でどんどん反応が進んでしまう、という心配がないため、その分失敗が少ないのです。

*カラメルはとても熱いので、火傷には注意して下さい。

Text : naoya

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