• 食事情
  • 2017/6/18 05:00:22

ああ、納豆甲子園!第24回 東京都予選(その20)

全国の納豆を集め、そこから最も ”納豆らしい納豆” を決める試み、「納豆甲子園」を誰に断ることなくやっております。ここでいう納豆らしいとは、以下の3つの要素。

D値:ダサ度(4点満点) 郷愁の度合い。ネーミングやジャケット(パッケージ)のそれらしさの評価。

K値:クサ度(3点満点)風味の度合い。納豆臭さ、香りの強さの評価。

N値:ネバ度(3点満点)菌の元気度。粘りの強さ、糸の数と密度の評価。

つまり、最も洗練されていない、垢抜けない納豆のことで、最もおいしいではありませんのでご注意を。詳しくはこちらをご覧ください。

連載第1回 http://magazine.shokuikuclub.jp/food/20161105_114005/

【超高級住宅地にある納豆】
東京の納豆をめぐる旅もだいぶ西まで行き着き、さらに島までも制覇。もうそろそろ終わりかと思っていたのですが、灯台下暗し、世田谷の自宅の近所に納豆工場があるとのこと。その真偽を確かめに行ってみると色々な驚きがありました。

うちは商店街が近くにあるガヤガヤした雑多な世田谷ですが、納豆屋さんはそこから自転車で10分かからないくらいの用事がないのであまり行かない場所。GoogleMapの言うなりに近づいていくと、緑が増えどんどん静かになっていきます。行き着いたのはその一体だけアメリカの別荘地のように区画がでかく、日本全国でみても敷地のでかい豪邸と緑いっぱいのジャングルのような緑地だけが並ぶ異様な地帯。わかりやすく言うとその地域に小学校があるのですが、そこと豪邸の敷地の大きさがあまり変わらないくらい。
ここはどうやら超がつく高級な住宅地。これは住所の入力間違えたかな、と思っていたところ、緑だけの風景の中にポツリとグレーの一画が見えてきました。全国的にある小さな家族経営の納豆屋さんそのもの。
「日の出納豆」なんでここに建てたんだろう。
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中を覗き込むとこれもまたよく見てきた納豆屋さんの風景。世田谷だから洒落てるとか高級とかベンツが停まってるとか全くありません、真面目にちゃんとやってる感じ。ちょうど豆を蒸していて、甘い香りが漂っています。これが本当にいい香りなのです。
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そして目があった休憩中のスタッフの方に運良くお話が伺えました。
日の出納豆はもともとは仙台の納豆屋さんで分家して東京に移って50年ほど続けてるそうです。その時はこの辺りも畑ばっかりだったとか。そして仙台の本家はもう辞めて残ってないそうです。
スタッフは家族を中心に5人と2人のパートだけ。社長も毎日納豆作りをしているそうです。

経木の納豆もあったのですが、経木のものだと水蒸気で建物に負担がかかり、屋根が傷んで今ではカップとパックで作ってると。カップとパックは電気釜で作れるそうです。経木や藁苞で納豆を作るには機械だけでなく建物も関わってくるものなのだと初めて知りました。

大豆は国産と中国産を商品によって使い分けていますが、中国産と言ってもずっと長く使っている信用出来るもので、それが実は満州産の高級品。大豆はそもそもそのあたりが原種で、昔は国産のものより余程高価だったそうです。中国産だからといってガッカリしないように。

これまでも疑問だった、東京の納豆はどうして東京で買えないのか、を聞いてみました。
以前は豆腐屋が主な取引先で、豆腐屋自体が減ってきたことと、大手のスーパーだとそれだけ数を用意できないから地方の大きい工場を持つ会社に敵わないから、というのが理由だそうです。ちなみに日の出納豆は東京だと成城石井なら買えるそうなので探してみてください。

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【58番 日の出納豆 日の出納豆(世田谷区深沢)】
先ずはこのロゴに目が行く。図形としては旭日旗を展開させたものだが全然おもくなく、昔使った分度器を思い出す。日の出や太陽は使い古されたモチーフなのに、後光を反転という手法は今までないのではないか。さらに文字もかなり個性的。太く滲んだような筆字で形も尖ってて素晴らしい。
とてもいいネタが揃ってるのに、そのレイアウトが味気なく、ピンクの色も関連があまり良くわからないのがもったいないか。
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数度かき混ぜただけで豊富な糸引き。毎日つくっていて、そこからさっき持ってきたばかりゆえの新鮮さがよく分かる。糸は白濁と透明に分かれ、それぞれ量はたっぷり。豆の香りは立っているが、納豆臭はあまりない。これも新鮮だからかもしれない。
食べてみると食感がフワフワと柔らかく、さらっと豆の甘みが広がり、最後にコクと苦味。実はちょっと古くなって納豆臭いのが好みなのだが、こういうフレッシュな出来たてもまた良い。
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D1 K1 N2 合計4

【59番 日の出納豆(3パック) 日の出納豆(世田谷区深沢)】
58番の3個組、サイズは少し小さい。色合いを少し変えていて、こちらのほうが和でみやびな雰囲気。ちょっと古くさい感じも納豆デザインならよりOK。気になるのはそれぞれの色とデザインに関連が無いので、もうちょっとルールを整理したほうがブランドが強調されると感じた。
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商品は58番と同じ。これもやはりフレッシュで美味しい。
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D2 K1 N2 合計5

【60番 とよこまち大豆の納豆 日の出納豆(世田谷区深沢)】
58番、59番どちらも謎に包んでるほどに説明がないジャケットで、それが良いようなどうなのか、でしたが、こちらは事細かにしっかりと説明。北海道産であること、豊小町という品種であること、その他諸々気を配っていること。かなりびっしりと詰まっていて、ロゴと筆字が霞むほど。タレとカラシまでの説明もある。
ちょっと多すぎるかも。美味しそうな感じと世田谷感がない。豪華にするのではなく、世田谷の品を感じるようなスッキリした解答があるはず。

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豆が大きくなり、香りもしっかり。かき混ぜると細かい糸が豊富にたち、58,59番の糸が面ならこちらは線がびっしり。味は甘くもちっと 後味の豆の苦味がまろやか。こだわりが伝わる納豆でした。
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D1 K2 N2 合計5

今回初めて送ってもらうのではなく、工場まで買いに行くことをしてみました。お酒も蔵で呑むのが美味しいように、納豆も工場で作りたてを移動や温度変化のないまますぐに味わうのが一番美味しいのかもしれないです。こちらは午後であれば小売しているので近所の皆様お試しください。

Text : masaei

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