• 食事情
  • 2017/5/10 05:00:34

生産者からの手紙と花芽のお話。

昨年の11月。

「古来種野菜を食べてください」という本を出版いたしました。その後の反響は?などとよく聞かれるのですが、小さく小さく、本当に喜ばしいことがたくさんあります。大きく何か変化があったわけではありません。状況的には何も変わっていない、と言った方がいいかもしれないくらいに。

 

ただ、何が嬉しかったか、というと。

読んでくださった方から、メールやお手紙をいただくことです。それはそれは、もうあたたかくて。読んでいただいた後に、胸が熱くなり筆をとった、と。これこそが、私たちの財産だなぁと思ってしまうのです。

今回は、福井県の伝統野菜「山内かぶら」を栽培されているおばあちゃんからいただいたお手紙を抜粋して紹介しようと思います。

 

以前、こちらでもご紹介させていただきました。

http://magazine.shokuikuclub.jp/food/20141230_050054/

 

手紙_1(本文用)

 

「私たちの会は12名の70〜85歳のおばあちゃんばかりの集まりでGIの認定がふつりあいのグループです。ですが、器量が悪くとも味がある、風味がある、を武器に頑張ろうと話し合っています。野菜の豊富な田舎は少しくらい美味しくともなかなか必要とされなくて売れません。東京や大阪などの都会の人たちに安全で美味しいかぶらを食べて頂きたいと思っています。」

 

そして、最後に

 

「認めてくださってありがとう」と。

 

手紙_2(本文用)

 

最後の言葉にずしり、ときました。

私たちは「認める」という意識はもちろんありません。その言葉の意味というのは、おそらく「今、栽培している山内かぶらを食べる人はなかなかいない、後継者もいないから、もっと作りやすいかぶを栽培した方がもっと楽だし、町の人たちも食べてくれる」

そんな意見を幾度も聞いてきたんだと思います。そして、そっちの方が正しいのではないかと、揺れ動いたことだってあると思うのです。

だけど、やっぱり。

自分たちがずっと作り続けたい、と思ったかぶは、この「山内かぶら」だったのでしょう。私たちが古来種野菜を微力ながらに発信していること、その野菜を貴重で美味しくて美しくて、日本が誇れる大切な野菜だということについて、「認めてもらえた」と感じてくださったのではないかなと思うのです。

ずしり、です。

本当に。

 

写真は、おばあちゃんが送ってくださった、山内かぶらの花芽です。

まさか、かぶの花芽を出荷できるとは思っていなかったらしく、私たちが、来年はぜひ花芽をお待ちしております、とお伝えしたところ、「このくらいの花芽の様子だったら出荷できますか?」と、来年の出荷のために確認をされようと送ってくださったものです。

 

手紙_3(本文用)

 

素晴らしい花芽。

来年、必ず、とお約束しています。

 

手紙_4(本文用)

 

来年の約束が、おばあちゃんたちの、少しの希望になればいいなと、思います。

Text : warmerwarmer

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して食育通信onlineは一切の責任を負いません。

ページ上部へ