• 食事情
  • 2017/5/9 05:00:44

山形県の在来野菜 茎立菜

いくつもの葉もの野菜が入荷するようになってきました。全国、津々浦々、それぞれの土地にそれぞれの葉ものがあるんです。

今回は山形県の在来野菜、茎立菜を紹介します。

 

茎立菜_1(本文用)

 

とても青々と緑々とした、春を思わせてくれる色。小さなつぼみもついてきました。こちらの主な産地は山形県のおきたま地区。現在の米沢都市圏、南陽都市圏、長井都市圏、の3つの都市圏のことをさします。

その昔、この地域の厳しい冬の間は、野菜が栽培できないため、漬物、乾物、穀類などの保存食などでなんとかしのいでいた時代がありました。そして、雪どけの季節を迎える頃にはその保存食も底をついてしまう。人々がそんな状況の時に、あぜ道などで自生する、茎立菜がぐぐぐと頭を出してくる、そんなことから、この地域では、春を告げる植物だったと言われています。言葉で書くのは簡単なのですが、調べていくうちにどの資料にもそのようなことが書いてあります。それほど深刻だったことが、目に見えてきます。

 

茎立菜_2(本文用)

 

こちらはまだきゅっとしたつぼみ。

 

茎立菜_3(本文用)

 

種を蒔くのは秋。少し育ったところで雪が積もり、その伸びてきた芽は雪の下に埋まってしまいます。その雪の下で、その長い冬の寒さをたえて、たえて。冬が終わる頃、芽吹いてくる茎立菜の柔らかい茎を、手で丁寧に摘み取ります。

 

茎立菜_4(本文用)

 

写真を見てわかるように、ぽきっと、手で摘みとったそのままの状態で届けていただいています。ほろほろと苦い、春の味。

 

やっと出会えた春の食材はその地域の食卓にところ狭しと並ぶそうです。この地域の郷土料理でもある冷汁をはじめ、おひたしや煮浸しにも。

 

茎が立つ菜。

植物の、

 

「茎や花のつぼみをいただく」

 

というところを深く感じてみると。

「植物の生を食べて生きている」という、私たちが本来持っている動物的感覚をほんの少し感じることができますね。

Text : warmerwarmer

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