• レビュー食事情
  • 2017/4/27 05:00:17

見た目は地味だけど、深い味わい ハードチーズの魅力を知ろう(第3回)

前々回、前回に引き続き、チーズプロフェッショナルの尾崎裕子さんに、ハードチーズの基本と魅力を教えていただきましょう。

ハードチーズを知るための基本は以下の4つです。

(今回は4についてです)

 

1  乳種による味わいの違い

2  熟成期間による味わいの違い

3  季節による味わいの違い

4  外皮による味わいの違い

 

4 外皮による味わいの違い

 

水分の蒸発を防いだり、カビなどの雑菌がつかないように、チーズの中身を保護する包装紙のような役割で品質劣化を防いでいるのがハードチーズの外皮。それは国によって、さまざまなものがあります。

たとえば、オランダ。ゴーダチーズやその昔、赤玉と呼ばれたエダムチーズは、表面にワックスをコーティングして熟成させます。こうすることで、生えてきたカビを拭いたりする手入れの手間が省け、効率的に熟成させることができます。もちろん、ワックスは食べられません(誤って食べても害にはなりませんが、あくまで中身のチーズのおいしさを守るためのものです)。

 

ゴーダ

ゴーダ

こちらのゴーダはバラリーナと言う山羊のミルクで造られ、1年間熟成させています。

山羊乳独特の香りに、旨みと甘みのバランスが良いチーズ。

 

イタリアのパルミジャーノ・レッジャーノや羊乳のペコリーノチーズでは、ハードチーズからしみ出てきた脂肪を布で拭くことで外皮をつくっていきます。定期的に繰り返し脂肪を拭くことで、チーズの表面が固まっていき、しだいに丈夫な外皮が形成されます。これら自然にできた外皮は厚いものが多く、食べるには不向きですが、スープや野菜などと一緒に煮出すと旨みエキスがスープに移り、いつもの味がワンランクアップします。

 

パルミジャーノ・レッジャーノ

パルミジャーノ・レッジャーノ

おろして料理に使うことが多いかもしれませんが、塊を割ってそのままいただくのも格別です。割り立てはパイナップルのような華やかな香りがして、ジャリジャリとした旨みの結晶を噛みしめると、濃厚なコクと美味しさが楽しめます。

 

溶かして茹でたじゃがいもやパンにからめて食べることが多いスイスの代表チーズ、ラクレットの場合は、塩水で定期的に濡らしながら熟成させます。塩水で拭くことによってリネンス菌という菌が表皮に付き、ウォッシュチーズに似た独特の風味をもたらします。

 

他にも、チーズ先進国のヨーロッパには、赤ワインに漬けて熟成させるチーズや、ワインを造った後のぶどうの絞りカスをまぶしたもの、またその絞りカスからマール(ブランディ)を造りその絞りカスを表面にまぶしたものなど、さまざまな工夫のもと、たくさんの味わいの異なるチーズがつくられています。

 

オッチェリ・アル・バローロ

オッチェリ・アル・バローロ

イタリアではワインの搾りかすに漬けこんだチーズが数多く生産されていますが、オッチェリ・アル・バローロはその中でも特別チーズ。日本でも広く知られている高級ワイン、バローロの搾りかすに漬けられて熟成されています。搾りかすまでワイン好きにはたまらないチーズです。

 

みなさん、尾崎さんのアドバイスを読んだら、ハードチーズをいろいろ食べてみたくなったのではないでしょうか。ぜひ、お店でカットしたものを量り売りをしてくれる、チーズ専門店に足を運んでみてください。真空パックで売られているチーズとは違い、切り立てのチーズにはフレッシュなフルーツや野菜のようなおいしさがあります。ご自身の目で、舌で、鼻で、ハードチーズの違いを実感してみてください。

 

尾崎裕子プロフィール

チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナル。シュヴァリエ・デュ・タスト・フロマージュ(フランスチーズ鑑評騎士)。東京を拠点に自宅でチーズ教室「ビアンフェ・カフェ・フロマージュ・サロン」主宰。お問い合わせは以下まで。

ビアンフェ・カフェ・フロマージュ・サロン bienfait@ga2.so-net.ne.jp

 

尾崎裕子

尾崎裕子

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Text : harumi

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