• レビュー食事情
  • 2017/4/13 05:00:17

見た目は地味だけど、深い味わい ハードチーズの魅力を知ろう(第1回)

みなさんはチーズと聞いて、どんなチーズを思い浮かべますか?

ピザやグラタンの、アツアツ、トロ~リのチーズですか?

それとも、まっ白なビロードをまとったような、カマンベールチーズですか?

ひとことでチーズと言っても、その種類には、フレッシュ、白カビ、青カビ、ウオッシュなど、さまざまなタイプがあります。

 

そんな数あるチーズの中で今回から3回に渡ってご紹介するのは、見た目は茶色くゴツゴツした堅い外皮に覆われ、切ると白いアイボリー色の生地が現われる、ハードチーズです。

教えていただくのは、チーズプロフェッショナルの尾崎裕子さん。日本や世界各地のおいしいチーズを食べ尽くした結果、やはりハードチーズの奥深さに魅了され、この魅力をもっとみなさんに知ってほしい!と思っているそうです。

 

「ハードチーズって、大きさの違いはあるけれど、どれも同じように見えるし、味もあまり差がない、なんて思っていませんか? それは大きな間違いです! ヨーロッパでは、チーズを食べ尽くした人が最後に欲しがるのが、シェーブルとハードといいます。そのくらいハードチーズは奥が深く、その味わいもとても複雑でバラエティに富んでいます。それにハードチーズは使い勝手の良さもいいんですよ。買い置きしておいて、朝ごはんからでも気軽に食べられますし、サラダに入れたり、パンとおいしいハードチーズ軽いランチとして楽しんだりすることもできます。牛乳から作られたハードチーズだけでなく、羊や山羊(やぎ)も是非試してほしいです」

 

さて、尾崎さんに、ハードチーズの基本を教えていただきましょう。 下記の4つのポイントに分けてご説明していただきます。(今回は1についてです)

 

1  乳種による味わいの違い

2  熟成期間による味わいの違い

3  季節による味わいの違い

4  外皮による味わいの違い

 

途中で数種類のチーズもご紹介していただいています。

タイミング次第ですが、チーズ専門店で手に入りますよ。

 

1 乳種による味わいの違い

 

日本では牛乳製のハードチーズを多く見かけます。有名なオランダのゴーダチーズやイギリスのチェダーチーズは、昔、小学校の給食でよく食べたプロセスチーズの原料にも使われるなど、どこか懐かしいなじみのある味を想像します。また、スイスのグリュイエールチーズや、孔のあいたエメンタールチーズなどは、冬にチーズフォンデュなどで召し上がっている方も多いと思います。このように牛乳製のチーズの味は、今では私たち日本人には広く親しまれている味といえます。

 

ロッコロ

ロッコロ

ロッコロ

イタリア、ロンバルディア州の牛乳のチーズ。かつてタレッジョ渓谷にあった狩人の小屋「ロッコロ」に形が似ていることからこの名が付けられました。熟成中に表面を数度洗うためフランス風に言うならば「ウオッシュタイプ」とも言えます。チーズの表面はややべたついています。そして、いろいろな色のカビが生えます。チーズの中ですが、外皮に近い部分は少し柔らかく熟成し複雑でコクのある味に変化していきます。中心部はまだボロッとしている組織で新鮮なミルクの香りと酸味も感じられる味わいです。

 

トム・ド・サヴォワ

トム・ド・サヴォワ

トム・ド・サヴォワ

フランスサヴォワ地方の牛乳のチーズ。「トム」とは「ひとかたまり」の意味があり、大型のチーズに対し各農家で造られる小さめのチーズを指して呼ばれます。トム・ド・サヴォワは、外皮を覆う灰色のカビが特徴で、熟成とともに自然な黄・赤・茶色などのカビ(通称猫毛)が生えてきます。そのカビを手でなで、生えたらまた撫で、を繰り返して厚い外皮を作っていきます。 素朴な味わいの中にナッツのような独特の香りがあるチーズです。

 

テット・ド・モワンヌ

テット・ド・モワンヌ

テット・ド・モワンヌ

「修道士の頭」という名前のスイスのチーズ。塩水で数度洗いながら熟成させるので、表皮はべたべたしている。口どけがよく、甘みと深いコクが濃厚な味わいを作り出す。薄く削って食べる。「ジロール」という専用の道具を使うと、可憐な花びらのように削ることができる。

 

また世界の国々では、牛以外の羊や山羊のミルクからもたくさんのハードチーズがつくられています。

 

たとえば、イタリアのサルディーニャ島では、羊のミルクからつくられた「ペコリーノ」が知られています。羊のミルクは、牛よりも脂肪分が高く、タンパク質の量も多いので、チーズにした時には甘い香りのする、独特のコクを持った風味が特徴となります。

 

山羊(やぎ、シェーブル)は乳量が少ないことから、あまり大きなハードタイプのチーズはありません。一般には500g~2㎏くらいの大きさで作られます。山羊のミルクは、羊とは逆に脂肪分が少なく、脂肪球も小さいことから、チーズにした時にきめ細やかな生地になり、口あたりはさっぱり。ほのかな酸味と甘さ、山羊乳独特の風味が持ち味で、やみつきになるファンが多いチーズのひとつです。

また、スペインなどでは、牛、山羊、羊のミルクを混ぜた混乳タイプも作られます。

 

ポール・ジョルジュレさんのトム・ド・シェーブル

ポール・ジョルジュレさんのトム・ド・シェーブル

ポール・ジョルジュレさんのトム・ド・シェーブル

フランス、ポワトゥー・シャラント地方のシェーブルチーズ。約1キロの大きさで、中心の生地はホロホロと崩れます。爽やかな酸味とミルクの甘みがあり皮に近い部分は凝縮した旨みを感じます。

 

尾崎裕子プロフィール

チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナル。シュヴァリエ・デュ・タスト・フロマージュ(フランスチーズ鑑評騎士)。東京を拠点に自宅でチーズ教室「ビアンフェ・カフェ・フロマージュ・サロン」主宰。お問い合わせは以下まで。

ビアンフェ・カフェ・フロマージュ・サロン bienfait@ga2.so-net.ne.jp

 

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尾崎裕子

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Text : harumi

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