• 食事情
  • 2015/12/17 05:00:08

新横浜のレストランで静岡県フェア 後編 試食!

さて、プレス発表会(前編)のあとはダイニングに場所を移しての試食ディナーです。

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プレスの方以外にも生産者の方も多くいらっしゃってました。たしかに自分がつくった食材がどんな風に使われているのか感じる機会は少ないでしょうから、その点でもこの試みには大きな意義があります。

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テーブルに飾られた花は富士山の形を模していました。加藤シェフ曰く「これは静岡県側から見た富士山です。山梨県側でなく(笑)」

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まずはアミューズ。「四つ溝柿 ラム シェーブル」です。【誕生以前】という副題がつけられています。これは柿が人類が誕生する前から存在していた植物であることから。
実に四つの溝がある四つ溝柿は在来の渋柿だそう。主な生産地は長泉町。二酸化炭素処理をして脱渋しています。じつは渋柿は甘柿よりも糖度が高いため、こうして渋を感じさせなくすると濃厚な甘さが味わえるとのこと。色が黒いのはラムの香りのマリナードに漬け込んでいるからでしょう。シェーブルのクリーミーさと柿の甘味が自然にマッチしています。

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前菜「カリフラワーのヴルーテ 冬野菜の柑橘ジュレ添え」です。これには【坂もの】という副題が。昔は三島の坂地区で育った野菜は「坂もの」として大阪方面で絶大な人気があったと言います。
料理はカリフラワーのなめらかなピュレの上に、シャキシャキの野菜。周りの柑橘の酸味が引き締めていました。日照時間が長い静岡県ではおいしい冬野菜が収穫できるんですね。

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お次は一転して中華風の皿。「浜名湖産 ドウマンガニとマッシュルームのシノワズリー」です。シノワズリーとは中国趣味のこと。中国料理の「芙蓉蟹」に似た料理です。副題には1498とあり、これは浜名湖が今の形になった明応地震の年です。この地震により湖の砂堤が決壊し、汽水湖になったんですね。

浜名湖は汽水湖なので生物の宝庫。ドウマンガニは上海蟹に似た味ですが泥臭さがなく、土っぽい香りがあります。その香りとマッシュルームが持つ茸の風味がマッチしていて、なかなかのコンビネーションです。上に載っているのはパセリのソースでした。

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厨房では料理の準備が進みます。八十席はあると思われる客席に一気に料理を出すためにはオペレーションが重要。見せるためにつくられたような美しいキッチンでは料理人がきびきびと動いています。

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フォアグラの蜜柑煮、さつまいもとビーツ。フォアグラは三ヶ日みかんのジュースでコンフィにしたあと、提供前に焼いてありました。フォアグラはフランスで鳥インフルエンザが発生した影響によりハンガリー産でしたが、食べるとたしかに蜜柑の風味がします。蜜柑ジュースに忍ばせたスパイス(クローブ?)の風味もフォアグラの癖を和らげ食べやすくしていました。

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活 伊勢海老 人参 雲丹添え。伊勢海老の上にニンジンのジュリエンヌ、それにウニ、まわりには人参風味の鶏のコンソメという構成。人参とウニ、ウニと伊勢海老という相性のいい組み合わせに、強い印象のコンソメの味が重さを与えています。伊勢海老の身は硬くなりがちですが、柔らかく仕上がっていました。

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シェフが絶賛する稲取金目鯛 漁師風蒸し。スチームコンベクションオーブンで温度管理したと思われる金目鯛はしっとりというよりもむっちりしていて、煮付けとは違った素材の良さが引き出した味。貝とキノコの旨味も効いています。稲取の漁師さんは漁獲した魚を水揚げ後、その日のうちに出荷しているそう。どこで穫れたかというのももちろん大事ですが、漁師の技術というのも味に影響するんですね。

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口直しのグラニテを挟んで、メイン料理は天城軍鶏のブレゼ、トリュフ風味。低温長時間加熱によって軍鶏の身が柔らかく仕上がっていました。天城軍鶏は有名ですがさすがに名に恥じない味。狩野川が流れている天城山麓は涼しく、鶏の飼育に最適です。

「食べてみて静岡県にはこんなに美味しいものがあるんだ、と思っていただけたら是非、現地に足を運んでください」と加藤シェフ。

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デザートは軽く、きらぴ香と柑橘。いちごの生産で有名な静岡県ですが、このきらぴ香という品種は新顔だそう。まだ市場には多く出回っていないこの品種は開発期間に十七年を要したという「紅ほっぺ」の後継種。硬めの果皮で凝縮感のある味が特徴。県は県産のいちごの品種をこちらに切り替える方針のようですが、クリスマス需要に対応できる早生の品種なので、これから目につく機会が多くなると思われます。いちごは「1月から5月のいちごが食べごろ」と言われたのは昔の話なのかもしれません。

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最後はシェフと生産者の皆さんで記念撮影!

レストランの役割はかつての食事をする場所から大きく変わってきているのがわかります。「生産者は末端の価格を知らず、消費者は生産者のことを知らないということがショックだった」とシェフは語っていましたが、料理人の役割はただ食事をつくる人から生産と消費を繋ぐという使命が加わりました。今後、加藤シェフのように活躍する料理人をいかに増やしていけるか、というのも地方創生のヒントになるかもしれません。

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