• 食事情
  • 2015/10/4 05:00:03

岩手県の地きゅうりむかしきゅうり。

日本のきゅうり、の話。

夏の季節が終わり、キュウリの旬が終わろうとしていますね。とはいえ、きゅうりやトマトは、1年と通して栽培されるようになったので、いつでも、食卓にあがります。

 

今、「きゅうり」と言われてすぐにイメージできるのは、細長いきゅうり。

まっすぐで、つやっとした緑色をしていて、長さもほぼ均一で店先に並びます。

 

昭和のはじめ頃までは、この細長いきゅうりは、白い粉がふいていました。このきゅうりのことをブルームキュウリといいます。そのブルームキュウリは、今のきゅうりよりももっと皮が薄く、日持ちもなかなかしませんでした。

このブルームという白い粉はきゅうりを守ってくれる役割を持っていたのですが、昭和50年頃より、「白い粉が農薬にみえる」という消費者が増えたり、皮が薄く日持ちがあまりよくないため、白い粉のないブルームレスキュウリが、市場で、消費者の間で、評価されていきます。それが今の一般的な細長いきゅうりです。

見た目がぴかぴか、手の痕もつかず、皮も厚く、ある程度の日持ちもするきゅうりです。

 

そして、ブルームキュウリよりももっともっと、昔から夏に食べられていたきゅうりがあります。黄色い瓜、の、うりたちです。その地域に住む人たちが、食べてきて、神様に奉り、種を蒔き、水のかわりに水分をとり、その地域の文化に深い関わりをもつ、うり、たち。

 

今回は、名前なき岩手県の地きゅうり、をご紹介します。

 

iwatekyuuri(本文用)

 

岩手県北部、北上産地の山の中で先祖代々受け継がれて来た伝統野菜です。

野良仕事の時、水筒の代わりに持っていき、味噌をつけて食べていた、と言われています。黄色いまだら模様が美しく、圧倒的な存在感です。

味噌をつけて食べる以外に、塩漬けにして紫蘇とニンニクをいれて、食されてきました。

種採りには時間や手間がかかってしまうこと、大きさがまちまちだったことなどの理由から、現代のきゅうりへ移行していきます。とはいえ、その歴史はまだまだ30年ほど。ですが、こういった家族や地域で大切に守られてきた地きゅうりは、きっと、もっと、私たちが想像できないほどの年月の記憶が、つまっていて。土や風の影響をたくさんうけながら、自らの独特の変化をし続けてきました。その、ぎゅっとつまった記憶が、苦味や甘みや、そして滋味深さをつくりだしているんだなと、思うのです。

Text : warmerwarmer

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